沖縄で黒糖作り体験/クリエイター女子が行く!Vol.21

2016.05.09

こんにちは。フリーでイラストレーターをしています五島です。「ものづくりに興味はあるけどどこで体験できるのか分からない、なかなか行動に移せない……」この企画は、そんな悩めるあなたのために、クリエイター女子を代表してわたくしが全国各地で「ものづくり」を体験しまくります。そして、ものづくり体験の思い出を描き下ろしのイラスト付きでお送りします!前回は沖縄でオリジナルの三線作りを体験しました。さてさて今回は……?

ハイターイ!(こんにちは!)
前回に引き続き、今回も沖縄からお届けいたします。
▲美しすぎる万座毛から見た海

沖縄といえば、広くて青い海が印象的。
海水は驚くほどに透明で、白い珊瑚礁がキラキラと透けて輝きます。

ですが!沖縄の魅力は海だけにとどまりません。
大きな畑いっぱいにひろがった、あの甘~い植物のこと、みなさんご存知ですか?
ヒントはざわわ、ざわわ……ここまで言ったらバレバレですね。

そう、正解は“サトウキビ”!
今回はサトウキビ刈りを体験し、さらにそのサトウキビを使った黒糖作りに挑戦しちゃいます。

甘くてとろける黒糖、だいすきだーー!

絵にも描けない美しさ

▲看板の前でパシャリ

ということでやってきたのは、「沖縄体験ニライカナイ」さんです。
こちらでは本格的なサトウキビ収穫から黒糖作りまで、じっくり時間をかけた体験を楽しむことができます。

古くから沖縄で栽培されてきたサトウキビは、地元の子供たちにとって最高のおやつだったそう。
その甘さ、想像しただけでヨダレが出ちゃう!
採れたてのサトウキビもできたての黒糖も、楽しみだなあ~。

まずはサトウキビを収穫するべく、畑に移動します。
▲!?!?

うおああああああ、すげえええええ!
刈られたサトウキビの跡と真っ青な空のコントラストが綺麗すぎる。
絵にも描けない美しさ、とはこんな景色のことを言うのかな。
ここは天国なのかもしれない。
▲ざわわ、ざわわ~

広大なサトウキビ畑にしばらく圧倒されたのち、本日お世話になる照屋(てるや)先生にご挨拶。
▲笠のせいでお互い顔が見えません

先生、よろしくお願いいたします!

先生「はい、どうぞよろしくお願いします~。まずはサトウキビ刈りだね。あ、今年ね、なんかものすごくバッタが大量発生しているんですよ。たくさんいるよ、すごいよ」

え……?バッタ……?
ちょ、地元の方がそんなに言うなら、相当数いるんじゃなかろうか。
なんて心配しているそばから、巨大なバッタが次々と姿をあらわしました。

ピョンピョン!ヒエーーー!

とまあ、最初はめちゃくちゃビックリしたんですけど、東京で見たことがないその大きさと数に、最終的にはむしろ感動すら覚えました。
バッタの姿形はご想像におまかせします。沖縄スゴイ。
先生「大丈夫、襲ってきたりしませんから(笑)。じゃあ、軍手をしたらオノを持って、サトウキビの根元をスパッと切り落としてください。まずは私がやってみますね。せーの、よいしょっ!」
▲スパッッッ

おおおおお、めちゃくちゃ綺麗な断面だ。さすが先生。
中がじんわり湿っているのが分かり、かすかに甘い匂いがします。

片手でこんなに簡単に切れるのなら、サトウキビって結構柔らかいのかな?
ようし、次は私の番だ。
▲エイヤー!

ザクッ。
そう鈍い音がしたのでサトウキビを見てみると、なんとビクともしていません。
ほんの少し切れ目がついただけで、切りたおすことができませんでした。

……結構かたいじゃないかああ!やっぱり先生はすごいのだ。
何回かやり直してようやく、一本切ることができました。

先生「切るのにもコツがいるんですよ。サトウキビはね、生きているから。丁寧に綺麗に刈りとってあげないといけないんだよ。またあとで別の鎌を使うから、そのときリベンジしましょう」

なるほど、力任せにオノを振り下ろしていたんじゃ、切るものも切れないんですね。
優しく、一気に、丁寧に。を心がけます、先生!
▲収穫したサトウキビを車に運んでいるところです。ふざけていません

先生「次はサトウキビ刈り専用の鎌を使って、キビの葉を削ぎ落としていきます。皮を剥くような感じだね。がんばって!」
▲葉を削いだり切ったり、何通りも使える優れものの鎌
▲べりべりべり~~~


わ、これすっごく気持ちいい。
カンナで木を削っているような感覚に近いかも。
鎌のカーブがサトウキビの丸みとぴったりフィットして、力を入れなくても葉が落ちてゆきます。

とはいえ、数本のサトウキビの葉を落としただけで汗だくになったので、1日収穫していたら腰が砕けてしまいそう。
サトウキビ農家に嫁ぐとしたら、まずは体力作りからはじめないとだ……。

先生「葉が落とせたら、次はキビをちょうどいい大きさに切りそろえていくよ。さっきのリベンジだね。斜めに刃を入れることを意識してみるといいです」

おうし、やったるぞう!
▲オラアアアアアア

踏ん張った体勢が功を奏したのか、こんどはなんとか一発で切り落とすことができました。
けれどまだまだ綺麗に切るには程遠く、先生の凄さを改めて実感。
断面の美しさがぜんぜんちがう!
▲向かって右が先生が切り落としたサトウキビ、左が私

言われるがままにサトウキビ収穫をしているわけですが、実はこれってとても貴重な体験ですよね。
青すぎる青空と見渡す限りのサトウキビに囲まれる時間なんて、この先そう何度も訪れません。
大きく深呼吸をすれば、自然と笑みがこぼれます。

先生「はい、これで収穫は完了!せっかくだし採れたてのキビ、ちょっと食べてみてください。すこしかたいけどね」

実は生のサトウキビをかじるのは、人生ではじめて。
いただきまーす!
▲なかなかの強度

ひゃ、なんだ。はじめての味がする。
普段食べている白いお砂糖とはまた違った、蜜のような香り。
しっかりとした繊維を噛めば噛むほど、果実のような甘みが口の中に広がります。
おいしい~~~!

その後、サトウキビの葉を飛ばす遊びを先生から教わり、しばらく太陽の下で子供のように笑い合いました。
▲空に向かって飛んでいく葉っぱ

先生、お茶目で可愛いなあ……。

先生「こうして子どもの頃はよく遊んだもんだよ。さあ、そろそろ戻って黒糖を作りますか。鍋で煮詰める準備はしてあるので、今日採ったサトウキビの汁も加えてみましょう」

大好きな黒糖がもうすぐ食べられるんだ。むふふ~。

甘い香りを吸い込んで

▲戻ったらまずは持ち帰り用のサトウキビを断裁
▲次に登場したのは、専用の絞り機

サトウキビの状態からどうやって液体にするのか疑問だったけれど、こんな機械を使っていたんですね。
▲吸い込まれていくサトウキビ

メリメリメリーッ!
という音と共に、絞りたての汁が出てきました。
あんなにカタイと思っていたサトウキビが綺麗に潰されていきます。
中で噛み合わせるようにローラーが回っていて、潰されたサトウキビの皮だけが後ろから出てくる仕組み。
押し込むだけで簡単に絞れるので、力持ちになったような気分です。
サトウキビさん、ここまで大きく育ってくれてありがとう!
▲こんなに薄い皮になっちゃいました
▲布袋に入れて濾(こ)せば、よりサラサラの汁に

先生「修学旅行でやって来る男子中学生は、この絞り機の感覚が楽しいらしくずっとコレばっかりやってますよ(笑)。今日採れた汁は小さい鍋で煮るので、あとで味見してみてください。さあ、事前に大鍋に用意しておいた汁が煮えてきましたよ。灰汁をとりながらかき混ぜましょう」
▲ゆっくり混ぜ混ぜ

魔女がスープを作るかのような大きい鍋に少し驚きながらも、あま~い香りに癒されます。

少量の石灰が入っているだけで、あとは純度100%のサトウキビの汁。
それだけであの黒糖に姿を変えるなんて、まだ信じられません。

先生「さっき採ったサトウキビの汁が煮えたので、少し飲んでみましょう。生で噛んだのとはまた違った味がすると思いますよ」

自分で収穫したサトウキビを早速味わえるとは、なんて贅沢。
▲!!

あまい、あまいです!
なんだろう、ハチミツをそのまま飲んでいるくらい甘い。
煮詰めて温かいこともあり、より甘みを強く感じるのかもしれません。
同じ穀物ということもあってか、少しトウモロコシの香りに似ています。

先生「おお、あまいなあ!すんごいあまいなあ!」

と、飲み慣れているはずの先生のリアクションが一番大きかったことについ笑ってしまいました。

なんくるないさ~美味しいさ~!

そうこうしている内に、大鍋の中の汁が黒糖に近づいてきたぞう!
▲見た目はマグマっぽいけどとても良い香り

先生「おお、ここまでくれば完成間近ですね。ボウルに移して一気にかき混ぜます。スピードが命です、いきますよ!」
▲うおおおおおおおお

さっきまでサラサラの汁だったはずだのに、今はモッタリと重い感触。
これはかなりの重労働。
先生に助けてもらいながらかき混ぜ、バットにうつします。
これが冷めれば、いよいよ黒糖の完成です!
▲ビーフシチューのような色味

先生「ふう、お疲れさまでした。冷めるのを待つ間に、今日3月3日はひなまつりだから、ひなあられを鍋に残った黒糖にからめて食べてみましょう。ピーナッツをからめるのが一般的なので、あられは私も初の試みです」

そうか、取材日の今日はひなまつりだから、ひなあられ!
どんな味がするのかなあ。いただきま~す。
▲美味しすぎました

……なんだこれ。ひっくり返るくらい美味しいぞ。
香ばしくまだ柔らかい黒糖と、あられのサクサク感がベストマッチすぎる。
和製キャラメルポップコーンという感じでしょうか。
これもまた、手作りならではの味わい方ですね。


先生「こっちの冷めて固まった黒糖も食べてみてください。なんといってもできたては美味いですよ~」

なんだか今日は食べてばかり!
でもこの瞬間を待ち望んでいたんだ。
できたてのツヤツヤ光る黒糖は、私の人生の中で一番美しいお砂糖でした。
▲お好み焼きのように切り分ければ、ほんとのほんとに完成
▲ぱくり

うん、もう、みなさん聞き飽きたと思うんですけど言わせて下さい。
ウマい!!
口の中に入れた瞬間に、ホロホロっとほどけるように溶けていなくなるんです。
ざらざらした舌触りが一切ないの。
味は言わずもがな濃厚ですが、クドい甘さではないので永遠に食べ続けられるなコレ。
▲笑顔が眩しい照屋先生、ありがとうございました

先生「今日はお疲れさまでした。楽しんでもらえたようで、私も嬉しいです。さあ、美味しい黒糖ができたことだし、最後は一緒に踊りましょう。イーヤーサーサー!」

普通ならここで、なんで黒糖ができて踊るんだ?と疑問に思うかもしれません。
しかしここは沖縄、気持ちいい風と甘い黒糖、どう考えてもめでたいじゃないか!
私はなんの躊躇もなく、先生と楽しく踊り狂いましたとさ。
▲なんくるないさ~!

そうそう、なんくるないさ~。
明日からまた、がんばるさ~!

(おしまい)

きょうのいちまい

五島夕夏

五島夕夏

桑沢デザイン研究所卒業。学生時代ロシアの絵本に大きく影響を受け、絵本画家を志す。現在はサロンのレセプションをしながら、イラストレーターとして活動中。

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