魚介スープで背脂たっぷり「尾道ラーメン」!人気店の「壱番館」を訪れる

2016.04.07 更新

ご当地ラーメンとして全国にその名が知られる「尾道ラーメン」。尾道市と周辺で専門店を標榜している店は約30軒あり、いたるところで「尾道ラーメン」の看板を見かけます。今回はその中でも人気店と評判の「壱番館」を訪れることに。

▲JR尾道駅。山陽本線の停車駅で新幹線は停まりません

世界的なグルメの格付け本でも紹介された人気店

ラーメンだけでなく「坂道の街」「映画の街」「ネコと出会える街」など、女性を中心に観光スポットとしても人気の尾道。最近では四国に渡る「しまなみ海道」が世界のサイクリストからも注目され、多くの観光客が訪れています。
▲毎年7月の最終土曜に県下最大級の花火大会が行われる「住吉神社」とヨットハーバー

「壱番館」はJR尾道駅から歩いて10分。ちょっとレトロな昭和の趣きを残す「尾道絵の町商店街」の中ほどを右に曲がると、海沿いに佇む「住吉神社」の目の前にあります。ちなみに、この「住吉神社」の境内には尾道の港が北前船の寄港地として栄えた江戸時代に仲仕(なかし※船の荷揚げや荷下ろしをする労働者)たちが力比べをした「力石」が残されています。
▲サンルームが目を引く外観。駐車場は向かって右側に4台分

乱形の石貼りと土のような塗装を組み合わせた外観は、ラーメン店というよりカフェのようにも見えます。サンルームのようなガラス張りのスペースもあり、女性1人でも気軽に入れそうな雰囲気です。
▲明るい店内。スタッフも活気がある

飲食店の格付けで有名なグルメ本の広島版に紹介されたこともあり、休日には行列ができることも珍しくありません。
店に入ると通路を挟んで右手にカウンター、左手にサンルームのテーブル席があり、奥の広いスペースにテーブル席が並んでいます。サンルームからの自然光も手伝って、とても明るい店内です。
▲店内用のメニュー。餃子やお得なセットもある

ラーメン専門店ですが、トッピングやアレンジが豊富なので選ぶのに迷ってしまいます。スタンダードな「ラーメン(580円)」のほか、ピリ辛の「ネギラーメン(690円)」や「チャーシューメン(840円)」などもありますが「店長おすすめ人気No.1」と書かれて、いちばん目立つ「角煮ラーメン(950円)」を注文することに。

コシがあって最後まで伸びない「魔法の麺」に驚き!

▲洋食シェフの経験もある店長の升元泰造(ますもと たいぞう)さん

オープン当時から「壱番館」の味を任されているのが店長の升元さん。大阪の名店「スエヒロ」でシェフを務めていたこともあるベテラン料理人で、素材の吟味や仕込み、そして新メニューの開発など、すべて自分で行っています。
▲スープとタレを合わせ、背脂を入れた状態。これに麺を入れる

スープは鶏ガラや豚がベース。瀬戸内の小魚から出る旨みを相性よく隠すことで味に深みが生まれ、魚介がメインのスープに比べると独特の臭みがありません。ここに「尾道ラーメン」の特徴である豚の背脂のミンチを投入。「壱番館」ではラードとブレンドしていますが、店によって揚げたり香味焼きにしたりと、それぞれに工夫されています。
▲「角煮ラーメン」は客の4割が注文する人気メニュー

タレに漬け込んでしっかり味のついた豚バラの角煮はインパクト大。白髪ネギや青ネギ、モヤシなどの野菜もたっぷりで、メンマや茎ワカメ、味付け玉子も入っています。
▲角煮は箸で持っただけで崩れるほど柔らかく煮込んである

たっぷり浮いた背脂から、見た目では濃厚な味の印象を受けますが、食べてみると醤油味であっさり。でも適度にコクもあって、女性や年配の方も食べやすい味です。角煮は口に入れるとホロッと崩れるほど柔らかく、分厚いので食べ応えも満点です。
▲スープがよく絡み、最後までコシが楽しめる平打ち麺

やや縮れている独特の平打ち麺はスープによく絡みます。そして驚くのはその食感。ひと口めで「コシがあるな」と感じるのはよくあることですが、それが食べ終わるまで失われません。
麺のコシは通販を始めたときからのこだわりで、家庭でも店で食べるのと同じ美味しさを楽しんでもらうために研究したもの。厳選した小麦粉を数種類ブレンドして打った後に熟成させるそうで、一般的なラーメン用の麺に比べて3倍くらいの手間と時間をかけているとのこと。これが人気の秘密になっていることは間違いないようです。

背脂+平打ち麺+魚介スープ=尾道ラーメン

▲スープに背脂のミンチが浮いているのが「尾道ラーメン」の特徴

「尾道ラーメン」の名が知られるようになったのは1990年代後半のこと。1988年に山陽新幹線「新尾道駅」が開業したこともあり、尾道が観光地としての注目を集めるようになって、地元の食品会社が「ご当地グルメを売り出そう!」と考案し、JRの売店などで販売したのが始まりです。
尾道には当時から行列のできる人気店があり、その店の特徴である背脂の浮いたスープと平打ち麺に、瀬戸内海の港町である尾道らしさとして魚介スープを使って誕生したのが「尾道ラーメン」です。
▲1996年の発売で大ヒットした通販商品(5食袋入り1,250円)

「壱番館」のオープンは1999年。その3年前に「尾道ラーメン壱番館」のブランドで生ラーメンの全国通信販売をスタートさせ、売れ行きが好評だったことから店舗を構えることになったそうです。
▲店内でも持ち帰り用、お土産用の「尾道ラーメン」を販売している

「尾道ラーメン」の方程式でもある「背脂+平打ち麺+魚介スープ」のセオリーを守り、麺やスープに独自の工夫を施すことでたちまち人気店になった「壱番館」。通販用の商品も依然好評で、店で食事をした観光客がお土産用にと購入するのはもちろん、地元の人も家庭で食べたいと買い求めに来るそうです。
▲お土産に人気の4食箱入り(1,250円)を買って帰りました

お土産用や通販商品でも店と変わらない美味しさが堪能でき、店長の升元さんも「湯のびしにくい麺で、喉ごしが最高です」と自信満々。
今回、取材できなかった名店が他にも数多くあり、ますます「尾道ラーメン」のファンが増えていくはずです。

※価格はすべて税込です
廣段武

廣段武

企画から取材、撮影、製作、編集までこなすフリーランス集団「エディトリアルワークス」主宰。グルメレポートの翌日に大学病院の最先端治療を取材する振り幅の大きさと「NO!」と言わ(え?)ないフレキシブルな対応力に定評。広島を拠点に山陽・山陰・四国をフィールドとして東奔西走。クラシックカメラを語ると熱い。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP