横浜中華街の茶藝館で中国茶Lesson!ゆるやかなお茶時間と聞香を体感

2016.04.19 更新

ウーロン茶にプーアル茶、ジャスミン茶…。今やペットボトル飲料としても、私たちの日常に溶け込んでいる中国茶。でもそこには、中国4千年の壮大な歴史のなかで培われて来た、奥深~い世界があるのです。そんなディープな中国茶ワールドの第一歩を学ぶべく、行ってきました!横浜中華街。中国茶専門店「緑苑(りょくえん)」の2階にある茶藝館「茗香閣(めいこうかく)」で、「工夫茶(コンフーチャ)」スタイルの本格的な愉しみ方を教えていただきました♪

中国茶好きが集まる、横浜中華街の
本格中国茶藝館「茗香閣」へ!

横浜中華街のシンボル「関帝廟」のほど近く、「地久門」の向いにある中国茶専門店「緑苑」。店舗をのぞくと、台湾や中国のお茶の産地から届く、高級茶葉がずらっと100種ほど揃っています。
▲入口には「中国茶淹(い)れ方教室」の看板も
「緑苑」の2階にあがると、目の前に茶藝館「茗香閣」への入り口が。「茶藝館」とは、いわゆる中国茶のカフェなのですが、自分でお湯を注いでお茶をいれながら、ゆったりとした時間を過ごせる場所。ここ「茗香閣」にも50種類もの茶葉が揃っており、そのラインナップから自分好みの茶葉を選んで、一煎目から微妙に変化していくお茶の味わいと香りを満喫することができます。

中国茶のおいしいいれ方・飲み方の流儀「工夫茶」とは?

茶藝館「茗香閣」で体験できるのが、「お茶会」と呼ばれる中国茶レッスンです。ここでは、中国茶のおいしいいれ方・飲み方の知恵を流儀に仕立てた「工夫茶(コンフーチャ)」をレクチャー。これは、そもそも宮廷ではじまった、日本でいえば茶道のようなもの。「工夫」とは、手間暇をかけるという意味で、「丁寧に時間をかけてお茶をいれる」作法、そして愉しみ方を学ぶことができます。
▲優雅な時が流れ、お茶の香りが漂う店内でお茶会がはじまります
教えてくれるのは、日本中国茶普及協会理事の周永泰(しゅう えいたい)先生。「緑苑」&「茗香閣」のオーナーでもある中国茶のエキスパートです。豊富な専門知識はもちろん、中華街にも詳しく、軽妙で楽しい語り口で大人気なんです。

「茗香閣」の中国茶レッスン“お茶会”のカリキュラムは全25回と充実(1レッスン1時間2,500円・税込)。1回1回違うお茶を取り上げ、その最もおいしい飲み方を周先生がテーブルを一緒に囲みながら、にこやかに楽しく指導してくれます。いつでも都合のいい時間で申し込めば、できるだけ希望に沿って、開いてくれるのもうれしいですね。(毎週でも、毎月でも、一年に一度でも頻度も希望のままに応相談)
テーブルに用意されていたのは、小さいサイズ感がとびきりカワイイ「工夫茶」をいれるための茶器一式。一番手前の急須が「茶壺(ちゃふう)」(茶壺と書きますが、急須のことなんです!)。時計回りに、「聞香杯(うぇんしゃんはい)」、「茶杯」、「茶こし台」、「茶海」、「茶こし」。奥にあるのは、この上で注いだお湯を受け止める「茶盤」です。ポットのお湯がシュンシュンとわいてくると、いよいよレッスンが始まります。

【Lesson1】中国茶葉の種類について

まず周先生が教えてくれたのは、中国茶の茶葉のこと。星の数ほど多くの種類があるという中国茶ですが、発酵の方法の違いにより、緑茶、紅茶、青茶、黒茶、黄茶、白茶と6色の名前がつけられています。これに加えて、花の香りが加わったジャスミン茶、花を乾燥&焙煎した菊花茶などのお茶が「花茶」。大きく7種類に分類されています。
今回参加したのは全25回のレッスン中の第1回目で、お題となるお茶は中国福建省の南で採れる「安渓鉄観音(あんけいてっかんのん)」。先に説明した7種の中で「青茶」に属す、半発酵茶です。

「まず、茶葉そのものの色、香りを愉しみましょう。大きく深呼吸して香りをかいでみてください」と周先生。

フレッシュな香りの中に漂うほんのり熟した香りが、どこか甘さを感じさせます。手間をかけられた手作りの茶葉は、肉厚で色が濃く、引き締まった感じです。

【Lesson2】お茶をいれるための下準備

お茶をいれる前のお約束。まずは茶壺にお湯を注ぎ温めます。その間にスケールを使って茶葉を測る周先生。「安渓鉄観音」の場合は、100ccの容器に対し約5gがちょうどいい量、お湯の温度は熱湯が最適なのだそうです。

【Lesson3】おいしいお茶のいれ方のコツ

周先生が測ってくれた茶葉を茶壺に入れ、茶盤の上に置きます。
「お湯は、できるだけ高いところから勢いよく注いでください。このとき表面に浮いてくる泡(アク)を取ることが大切です」と周先生。
無駄なく美しい所作で茶壺の蓋のフチで泡を切り、蓋をし、茶壺の上から全体にお湯を注いでお茶を蒸らしていきます。

実際に慣れない手つきでやってみると、お湯が茶壺から瞬く間にあふれ、おおあわて。心を静めて優雅に注ぐことが大切なようです。

【Lesson4】茶葉の抽出時間

「お湯を注いだら、砂時計で抽出時間を測ります。鉄観音の場合は1分です」

砂時計がゆっくり落ちる時間を待つ、しばしのひととき。茶海をお湯で温め、続いて茶杯・聞香杯も温めておきます。

【Lesson5】お茶は最後の1滴まで

1分たち抽出されたお茶を、茶こしをセットした茶海に一挙に注ぎます。
「最後の1滴まで注ぐために、しばらくこのまま置いておきましょう」

【Lesson6】お茶の香りを聞く「聞香(ウェンシャン)」を体験

「ふたつ杯がありますが、こちらの細長い杯は、香りを愉しむための聞香杯。飲むための茶杯とセットで使います」
茶海に入れたお茶をまずは、聞香杯の7分目まで注ぎます。20秒ほど待った後、茶杯にお茶を移し、空になった聞香杯の残り香に、五感をとぎすまし、耳を傾けてみます。今までかいだことがないような、お茶の凝縮された馥郁(ふくいく)とした香りにビックリ。細胞のすみずみにまで清らかで甘い匂いがふわーっとしみわたっていくようです。

【Lesson7】一煎目の味わい方

さあ、いよいよ一煎目をいただきます。
「愉しみ方は、いわばワインのテイスティングと同じです。目で美しい色合いを見て、空気を含みながら飲んで舌の上へ置き、香りと一緒に愉しみます。音をたてて飲んでもかまいませんよ」

そんな周先生の言葉にしたがって口に含めば、「なるほど」と納得。香りに浸りながら飲むお茶の味わいは、舌のうえにまろやかに広がり、花を感じたり、草原を感じたり、さまざまなイメージがふくらみます。

【Lesson8】中国茶のおいしさ3つのポイント

▲茶壺の蓋をとりお湯を注ぐ前の香りと比べると、さらに香りが深まっているよう。茶葉も広がっています

「ご自分でいれたお茶の味はどうでしたか。いれた人によって、お茶の色も味わいも違いますよ」
周先生の言葉でこのときテーブルを囲んだ他の人の茶杯を見ると、それぞれ色が違っていたのは、なんとも不思議。さらに周先生がいれたお茶を飲ませてもらうと、まったく味も香りも違っていた点にはもっとビックリ。

「おいしさのポイントは3つあります。1つは香りがよく出ていること。2つは渋くないこと。3つ目は、ほのかな甘みが残ること」

周先生がいれたお茶は、この3つすべてを兼ね備えたまったくの別物。色もほんのり赤みがかり、甘みも香りもより深く出ていたのには目を見張りました。やはり高級高品質な茶葉の持ち味を最大限に引き出すことは、1度ではなかなかできないもの。いれる手順をキチンとふみ、経験を積むことで、いっそうディープなお茶の世界がその果てに待っているのでしょう。

【Lesson9】二煎、三煎目の愉しみ方

さて、一煎目を飲み終えると、60分ほどのレッスンもひと通り終了。お茶請けのドライフルーツが登場し、後は二煎、三煎と参加者同士語らいながら自由にお茶を愉しめます。
「二煎目、三煎目と、味も香りも変わってきます。いれるたびに最後の1滴まで出すことが大事です。だいたい六煎まで飲めますよ」

何煎もゆっくり時間をかけてお茶を味わう時間は、いつしかすっかり日常のわずらわしさを忘れるひととき。香りを聞き、一煎ごとの味の違いを愉しむ。そんな時間をゆったり心静かに満喫することにも、どこか中国四千年の人の知恵を感じる中国茶体験でした。
▲茶壺でなく、ガラスの「蓋碗(がいわん)」でお茶を入れることも。お茶菓子は「茗香閣」オリジナルの抹茶入り蒸しカステラ(2個400円・税込)
「茶壺は高価なので、ご自宅で中国茶を飲まれるなら最初は蓋碗がおすすめです」と周先生。透明なガラスの蓋碗に入れた緑の茶葉がお湯に舞う様子も美しいものです。

帰りは1階「緑苑」でお持ち帰りの茶葉探し。
年々稀少になる「茶壺」鑑賞も

中国茶の愉しみ方が少しわかったので、やっぱり自宅で飲む茶葉がほしくなって、周先生が集めたお茶や茶器が揃う1階「緑苑」へ。さきほどのレッスンで飲んだ「安渓鉄観音」(100g2,100円・税別)も、手頃なものからさらに高価なものまでランク別にズラリ。凍頂烏龍、黄金桂、東方美人、岩茶、龍井など聞いたことがあるものや、初めて目にするものもあり、種類の豊富さに圧倒されました。
▲いずれも形が美しい茶壺たちは、すべて一点もの。価格帯は15,000円前後(税別)
さらに、ここで見ておきたいのが茶壺コレクションです。実はこの茶壺、「養壺(やんふう)」といって、養うように大切に使い込めば使い込むほどにお茶がおいしくなるという一生もの。素材となる紫砂(しさ)が少なくなってきていることから年々稀少になり、価格も高騰中なのだとか。作家物も多く集められていて、いつかは手に入れたいと思わせる逸品揃いでした。
▲いろいろ飲んでみたい中国茶ビギナーにおすすめな沱茶(とうちゃ)セットは、とってもお手頃(4つ選べて1,050円・税別)
「残りの24レッスンいつ受けに行けるかな」「中華街にまた行きたいな」と、お土産にもらったお茶を自宅へ帰って飲みながら、あれこれ思い描くのも愉しいもの。周先生の明るい笑顔と、お茶の香りが導いてくれる忘我のひとときに、また近いうちに再会したい。そんなことを心に誓う、とびきり素敵な中国茶体験でした。
ゴトウヤスコ

ゴトウヤスコ

ホテル、レストラン、神社、婚礼、旅、食、暦&歳時記、ものづくりなどの広告コピー、雑誌記事、インタビュー記事などを多数執筆し、言葉で人と人をつなぎ、心に響くものごとを伝える。旅は、基本一人旅好き。温泉、パワースポット、絶景、おいしいものがあるところなら、好奇心がおもむくままどこへでも。得意技は、手土産&グルメハンティング。最近は伝統.芸能、日本刀、蓄音機など和文化への興味を深堀中。読書会なども開催。(制作会社CLINK:クリンク)

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

今おすすめのテーマ

PAGE TOP