世界初!写実絵画専門の「ホキ美術館」。そのリアルすぎる魅力

2016.05.11

ホキ美術館は、世界初の写実絵画を専門に展示する千葉県千葉市にある美術館。千葉市最大の公園「昭和の森」に隣接する、緑豊かなこの美術館には、海外や全国各地から美術専門家も多く訪れるとききます。でも、実際のところ写実絵画って何?アート初心者でも楽しめるの?ということで、「ホキ美術館」を訪れ、その魅力に迫りました。

響き
▲写真でしょうか?いいえ、絵画なんです! 島村信之《響き》2010年 ホキ美術館

美術館そのものがアート!建物だけでも一見の価値あり

まず驚くのがその外観。正面からのモダンで落ち着いた雰囲気は、閑静な住宅街にほどよく調和しています。しかし、後ろ側へまわると、建造物の一部がまるで宙に浮いているよう。2011年日本建築大賞をはじめ、千葉県建築文化賞、千葉市都市文化賞などを受賞しています。
ホキ美術館外観
ホキ美術館外観
▲モダンで落ち着いた雰囲気の正面。でも脇の回廊を抜け、反対側にまわると…
ホキ美術館外観
▲こちら!まるで森の中に浮かぶアート
ホキ美術館外観
▲「昭和の森」側からの眺め。ひときわ目をひく外観に、興味をそそられる人も多いはず
中に入ると、回廊を生かした独創的なギャラリー。
ホキ美術館内観
▲地下2階、地上1階からなる5つの回廊、9つのギャラリーに分かれています

生きて、進化する絵画。それってどういう意味?

2015年11月で開館5周年を迎えた「ホキ美術館」。開館時には約300点だったコレクションは、今や400点以上に増えました。この美術館の最大の特長は、写実絵画専門であること。そして、有名から無名まで数いる画家たちがほぼ健在であり、今も作品を生み出し続けていることです。
過去から現在までの作品の中に、画家たちの進化や変化、心の機微が感じられるだけでなく、今後どのような作品を生み出すのだろうという期待を込めて観ることができます。

ホキ美術館解説員による約30分の鑑賞案内「ミュージアムトーク」(無料・予約不要)で、絵画の楽しみ方のポイントや、描かれた背景、画家の性格など現場ならではのお話も聞かせてもらえます。
▲五味文彦 《樹影が刻まれる時》2015年 ホキ美術館

上の作品は、入口トップに展示されていた大きな作品。同行のカメラマンK氏いわく「離れるほどリアルに見える」。
▲島村信之《オオコノハムシ-擬態-》2015年 ホキ美術館

一方こちらは「近づくほどリアルに見える」とK氏。まるで顕微鏡をのぞいているよう。
▲大畑稔浩《石見の海-消波ブロックと堤防》2012年 ホキ美術館

こちらは、近くで見ると石や砂のざらつき感まで表現されています。

一瞬を写し撮るのではなく「存在」を明らかにする

写実絵画は小さな作品でも長い制作期間がかかるそう。長い時間の中で、存在そのものが実在より鮮明になり、想いが交錯したり、その想いを絵に託したりとさまざまに変化し、試行錯誤がなされるそうです。どれほどの時間をかけて対象を見つめたのか。写真のように精巧な絵画にたくさんの時間や想いが凝縮されているような気がしました。
▲島村信之《ロブスター(戦闘形態)》2009年 ホキ美術館

すごい迫力!
▲島村信之《響き》2010年 ホキ美術館

対象の先に深い愛情が感じられます。

素人でも大丈夫、想像力を掻き立てる写実絵画

15世紀の初頭、レオナルド・ダ・ヴィンチを頂点に完成されたと言われる写実絵画。しかし、19世紀初頭に写真が発明されると、写実絵画の価値が下がり、画家から写真家に転向する人も続出したそうです。
そんな背景もあって、写実絵画をまとめて鑑賞できる場所や機会は少なかったのですが、ホキ美術館の開館により改めて注目を浴び、後に続く若い画家も出てきているそう。

絵画というと抽象的なイメージが強くてよくわからない…という人でも、写実絵画なら、その技術に驚くだけでなく、どうやって描いているんだろう、写真とどこが違うんだろう、と人それぞれに想像力を掻き立てられそう。
なんなら、自分もチャレンジしてみたいという気にさえなるから不思議です。
絵心のある人もない人も、丁寧に描き切った写実絵画の先に何か見いだせるものがあるかもしれません。
▲森本草介《未来》2011年 ホキ美術館

スカートのひだのやわらかな質感。題名に込められた思いが気になります。
▲野田弘志《聖なるものTHE-IV》2013年 ホキ美術館

小さな卵が2m×2mのキャンバスに描かれています。雛の気持ちで眺めました。

鑑賞のあとは、新緑を眺めながら本格イタリアン!

絵画を鑑賞した後は併設するミュージアムカフェ「はなう」でイタリアンランチを堪能。美術館に入館しないで、食事だけの利用も可能です。旬の食材を使ったランチコースを「昭和の森」を眺めながらゆったりといただきました。
▲目に飛び込むのは「昭和の森」の豊かな緑。癒されます
▲「パスタランチコース(2,500円・税込)」前菜盛合せ・スープ・パスタまたはハヤシライス・デザート盛合せ・パン・コーヒーまたは紅茶 ※季節や日によって内容は異なります
▲菜の花とからすみのパスタ。さっぱりとした塩味。麺はもっちりとしています
▲アラカルトでも注文できる人気の「和牛ハヤシライス・サラダ付(単品1,200円・税込)」
▲デザートも美味しくいただきました
絵画を鑑賞する楽しみはもちろんですが、豊かな自然に包まれて、なんだかゆるりとアートな気分に浸ることができました。都心からもそう遠くないので、ぜひ足を延ばしてみてください。
▲面積101ヘクタールの広大な公園「昭和の森」。天気の良い日は海や富士山が見えるそう
平間美樹

平間美樹

某広告代理店で情報誌・Webサイト等の広告企画・制作を経て独立。現在、企画制作会社CLINK(クリンク)を運営し、結婚・進学・就職・旅行など幅広い分野で企画・ライティング活動中。テニス・フラ・猫にハマる日々。 テニス観戦でグランドスラムを達成するのが目下の目標。

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