鎌倉「長谷寺」で写経&写仏体験!心の安らぎを求めて古都・癒し旅へ

2016.05.26 更新

由緒ある寺院が数多く点在し、旅情を誘う古都・鎌倉。それぞれのお寺では四季折々の花が咲き、訪れる人をいつでも優しく迎えてくれます。また、座禅をはじめ日ごろできない伝統的な和の世界にふれることができるのも古都のお寺ならでは。今回は、観音さまと6月の紫陽花で有名な「長谷寺(はせでら)」へ。一度チャレンジしてみたかった、「写経」「写仏」体験を通じ、心洗われるような一日をゆっくり過ごしてきました。

江の島電鉄長谷駅徒歩5分、
736年開創と伝えられる「鎌倉 長谷寺」

「長谷観音」の呼び名で親しまれている「長谷寺」は、736(天平8)年の開創と伝えられる鎌倉でも指折りの古刹です。正式名称は、「海光山慈照院長谷寺(かいこうざん じしょういん はせでら)」。観音山の裾野から中腹にかけて広がる境内には、見晴台や眺望散策路があり、美しく広がる由比ヶ浜の絶景を楽しむことができます。

山門の先は、“鎌倉の西方極楽浄土”。
「放生池」と「妙智池」が広がる回遊式庭園が

▲清らかな水辺に映えるボケの花
▲色鮮やかに咲く早春の花、「玄海躑躅(げんかいつつじ)」
拝観受付をすませ境内に入ると、目の前には、放生池(ほうじょういけ)と妙智池(みょうちいけ)が広がる庭園が。朝の清々しい空気を胸いっぱいに呼吸し、池の周囲に咲く花々を愛でながら、まずは石段を上った先の高台にある観音堂へ向かいます。

まずは、「長谷観音」の名で親しまれる
ご本尊「木造十一面観音像」にごあいさつを

ご本尊をおまつりする「観音堂」は荘厳な佇まい。一歩入ると、目の前に高さ9.18メートルという日本最大級の「木造十一面観音像(もくぞうじゅういちめんかんのんぞう)」が眩いばかりの金色に輝いていました。
このご本尊には、奈良にある「長谷寺」の十一面観音像と同じクスノキの大木から造られたという伝説があります。祈請の上で海に流されたこのご本尊がたどり着いた先は、相模国の三浦半島。金色の観音さまを安置するために開山されたのが、ここ鎌倉の長谷寺なのだそうです。
穏やかに私たちを見守るような観音さまの頭上には、仏面や菩薩面、忿怒面(ふんぬめん)など11もの顔が連なり、まるで冠のよう。その深い慈悲により一切の苦しみを取り去る功徳があるとされるご本尊。昔も今も、連綿と捧げられつづけてきた人々の祈りを、優しく受け止めてきた大いなる優しさを感じ、深い感動を覚えました。

写経・写仏体験の受付はAM9:00から。
午前中の清々しいうちに書院へ向かいます

▲本堂から階段を降り、庭園を抜けたところに写経会場となる書院が
受付時間の9時~15時なら、いつ訪れても自由に写経、写仏ができる長谷寺ですが、やはり清々しく静かな午前中がオススメ。初心者で1時間半から2時間程かかるとのことなので、さっそく専用の会場として設けられている「書院」へ。今回の旅の目的でもある、心静かに無心となる時間を過ごしに向かいます。

入口で靴を脱ぎ、最初に「塗香」で手を清めます

▲入口でお香をひと匙いただき、両の手のひらを合わせ塗りこんでいきます
▲初心者でも大丈夫なように、丁寧な説明と心得の指南が。「このようなご祈願が叶います。一文字一文字が仏様だと思って写していってください」
「写経」とは、お経を書写すること。お経を写すということは、僧侶の修行の一つでもあるのですが、一般の人々も供養や祈願のため、心静かな時を過ごすために行うようになったとのことです。
心願成就や息災延命など、かねてからの願い事を胸に秘め、いよいよはじめての写経に望みます。

写経会場へ入り、いよいよ般若心経を写経。
漂う墨の香りに心がすっと改まっていきます

▲静けさに満ちた書院内。一卓一卓に文鎮、硯、墨などが用意されています
墨をすり、筆に墨汁をひたすことは、高校生以来なかったかも知れないな…と思いながら、一文字、一文字、丁寧に筆でお経をなぞっていきます。
人で賑わう境内とは一線を画した写経会場。凛と張り詰めた静けさのなか、いつしか無心になっていきました。
写経のほか、仏さまの姿を描く「写仏」も受付可能。こちらはほんとうに細かいので、受付で薦められた筆ぺンで。どこからなぞるか迷ったけれど、まずはお顔から。
「仏さまのお姿を写すことで、すべてのものに対し平等な、仏さまの優しい心に近づいていくような気持ちになれますよ」
さっき、聞いたばかりの説明を心に繰り返しながら写していくと、日ごろたまったストレスやもやもやした感情が次第にぬけて、晴れ晴れとさっぱりしたような気分になれるのが不思議です。
▲写仏を申し込むと、写経と同様このような一式が。観音さまのカードや次回使用できる拝観無料券もセット(写経・写仏 各1,000円)

お急ぎの場合は、未完成でも続きは自宅で。
同封された封書で郵送しても、再訪して納めても

写経、写仏ともに、丁寧に心を込めて行うため時間がかかります。観光などでスケジュールがたてこんでいる場合は、自宅へ持ち帰って、残りを完成させてもOKとのこと。自宅で仕上げた場合は、セットに含まれた郵送用の封筒に志を添えて郵送しても、無料入山券を使って次回納めに来ることも可能です。

お昼は、境内の眺めのいいお食事所で
由比ヶ浜や逗子まで一望できる絶景ランチを

▲鎌倉有数のグッドビュー。見晴らし台から望む由比ヶ浜。吹き抜ける風も爽快!
写経に集中した後は、心地よい疲労感を癒しに境内のお食事所へ。実は長谷寺は、鎌倉でも指折りの絶景スポット。なかでも「海光庵」から一望できる由比ヶ浜のパノラマビューは圧巻!清々しい眺望を望みながら、お楽しみのお食事タイムです。
▲昼食やお茶は見晴台に隣接する食事処「海光庵」で
▲お寺のカレー/ミニサラダ付き(税別1,000円)

野菜やこんにゃく、だしを取った後の大豆など精進料理の流れを汲むカレー。ご飯も五穀米でとってもヘルシー。
▲長谷うどん(税別1,000円)

鎌倉の名店「井上蒲鉾店」のさつまあげ入り野菜の煮ものと薬味が多彩なうどんも名物です。
ちなみに「海光庵」の目の前のお堂には、お経が納められた回転式の書架「輪蔵(りんぞう)」が。ぐるりと一回転させると、一切経を読んだのと同じ功徳を得られるのだとか。壁一面にもお経がずらり。このお堂の中に自分が写した写経も大切に納めてもらえる点もうれしいですね。
※「輪蔵」は毎月18日、正月三が日、4月8日、8月11日のみ回すことが可能

観音さまについて学べる長谷寺の宝物殿
「観音ミュージアム」も見所

ランチを終え境内をそぞろ歩いていると、鎌倉長谷寺のご本尊である「観音菩薩」をテーマとした博物館「観音ミュージアム」を発見。仏教のなかでも、とりわけ多くの人々の信仰を集めた観音さまについて、わかりやすく学べるような展示は必見ということで、入館してみました。
昔は照明もなく薄暗かったと思われる本堂に安置されていたご本尊。壮大なご本尊のお顔はなかなか拝めなかったことから、以前はその手前に「お前立(まえだち)」さまと呼ばれる観音像が祀られていました。その「前立観音」は、今では役目を終えここに展示。背景には、ご本尊の姿が映像で映り、昔の様子がドラマチックに再現されています。
▲ミュージアムの2階から見下ろすと、十一面観音像を真上から見ることができます。なんとも珍しいアングルで鑑賞できるのもここならでは
観音さまの正式名称は「観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」。その「観世音」には、世の中の救いを求める音声を自在に聞くという意味があり、あらゆる願いに応えるため、様々な姿に変化するのだそうです。「お前立」さまの周囲には、人それぞれの苦しみを救済する、観音菩薩の33もの功徳が姿となった、33体の「応現身像(おうげんしんぞう)」(または「応化身(おうげしん)」などと呼ばれます)が。ずらりと勢揃いした様子は圧巻です。
ミニサイズの長谷観音像が中央に取り付けられた「懸仏(かけぼとけ)」は、鎌倉時代末期から室町時代作といわれる重要文化財。ほか絵巻物や梵鐘など、長谷寺に伝わる仏教美術遺産を目にすることができます。

愛くるしい良縁地蔵や神秘的な弁天窟など、
一日いてもお楽しみが尽きない長谷寺

ミュージアムを出てからも、長谷寺の境内にはお地蔵さまや弁天さまがいる洞窟など、まだまだ見どころが満載。のんびり過ごすうちに陽も傾いてきました。
▲庭園散策中に見つかる「良縁地蔵」。笑顔を誘う愛くるしい表情が魅力
▲弘法大師参籠の地と伝わる「弁天窟」はとっても神秘的。窟内には弁財天とその眷属(けんぞく)である十六童子が彫られています

最後に忘れちゃならない、
御朱印&お守り&お土産ハンティング

拝観の記念にぜひ御朱印をと、本日は十一面観音さまの御朱印をいただきました(300円)。ほか手前の可愛いイチゴのお守り(500円)は幸せを運んでくれるというもの。十分(10)な御利益(5)があるように、イチゴ(1、5)という数字にちなんだラッキーアイテムです。自宅で写経&写仏を仕上げるための筆ペン(300円)、ミニ硯セット(1,500円)、塗香(500円)も書院で入手できます。
春は桜、初夏は2,500株もの紫陽花、秋は紅葉と、四季折々の花も美しい長谷寺。親世代も、若いカップルも、子供連れの家族も、ここに集う人々誰もが穏やかな笑顔を浮かべる様子を見て、「やっぱり鎌倉観光で欠かせない名所だな」と納得。はじめての写経&写仏体験も心に染みて、忙しい日々の中でも毎日少しずつ仕上げて、ぜひまた納めに訪れたいと、心に誓った旅でした。
ゴトウヤスコ

ゴトウヤスコ

ホテル、レストラン、神社、婚礼、旅、食、暦&歳時記、ものづくりなどの広告コピー、雑誌記事、インタビュー記事などを多数執筆し、言葉で人と人をつなぎ、心に響くものごとを伝える。旅は、基本一人旅好き。温泉、パワースポット、絶景、おいしいものがあるところなら、好奇心がおもむくままどこへでも。得意技は、手土産&グルメハンティング。最近は伝統.芸能、日本刀、蓄音機など和文化への興味を深堀中。読書会なども開催。(制作会社CLINK:クリンク)

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