見て、触れて、発掘できる!それが福井「恐竜博物館」の楽しみ方

2016.04.22

福井といえば、全国的に有名なのが「福井県立恐竜博物館」。カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館、中国の自貢恐竜博物館にならび、世界三大恐竜博物館の一つと言われ、国内外から多くの人が訪れます。せっかく訪れたなら展示を見て回るだけじゃもったいない!今回は実際に博物館の方に見どころを案内していただきながら、恐竜博物館をより楽しめる方法を教えていただきました。では、太古の昔を想像しながら、恐竜がいた世界をのぞいてみましょう!

現代から恐竜の時代にタイムスリップ!

福井駅からえちぜん鉄道、もしくは車で約1時間。山々に囲まれた勝山市は雪が多く、冬はスキー客で賑わうなど、年間を通して多くの人が訪れます。そして何と言っても、はずせない場所が「福井県立恐竜博物館」。昨年(2015年)度は福井県の人口を上回る年間93万人もの入館者を記録し、県内外の人はもちろん、海外からの来館者も増え続けています。

勝山市に入ると、道路沿いに恐竜のモニュメントなどが増えてきます。さすが恐竜の町!山の麓にある銀色のドームが見えてくると、博物館まであと少しです。
▲坂を登っていくと、卵型のドームが見えてきました!期待が高まります!
▲到着すると目に飛び込んでくるのが巨大な恐竜のモニュメント!駐車場は休日にもなると車でいっぱいになります
▲入口のすぐそばで待ち構えている恐竜博士は人気の撮影スポット!ぜひ記念撮影してみてください

観覧チケットは館内に入ってすぐにある自動券売機で購入します。コンビニエンスストアでも販売しているので、GWや夏休みなど混雑が予想される時期は事前に購入しておくと入館がスムーズです。

早速、エントランスホールから展示室へ。入口から展示室へはエスカレーターを使います。はやる気持ちを抑え、出発!
▲長さ33mのエスカレーターをゆっくり下っていきます。まるで現代から過去へタイムスリップしているような感覚に

到着すると、すぐにでも展示室に向かいたいところですが、その前にまずはスタッフの方がオススメする音声ガイドを手に入れましょう。

「館内には千数百以上の展示物があり、見どころも多数あります。初めて来た方にも詳しくご理解いただけるよう、音声ガイドの端末をレンタルしているんです。これを使っていただくことで、展示をより楽しめると思いますよ!」

館内にある60ヶ所のポイントでボタンを押すと、展示物のさらに詳しい背景を知ることができます。博物館の研究員が監修した音声ガイドは大人向けと子ども向けに分かれているので、下は4歳くらいであれば大丈夫とのこと。ナレーションは有名な声優さんが担当しているので、気になる方は要チェックです!
▲音声ガイド端末のレンタルは1台につき540円(税込)。一度館外に出ても、当日中であればレシートの提示で再び利用が可能です

大迫力の化石とそこから読み取る太古のドラマに感動

準備万端!では展示室に向かいましょう。
最初に通るのは「ダイノストリート」。ここはアート作品のように化石標本を観賞することができる通路になっています。
▲ライティングにもこだわっていて、まるで美術館のよう

「化石にはいろんなドラマがあるんですよ。例えばこのカブトガニの化石もよく見ると実は動いた痕跡まで残っているんです。どこからやってきてどんな風に息絶えたか、化石という少ない手がかりから1億年以上も昔のドラマが想像できます」
とスタッフの説明にも熱がこもります。

なるほど!そうやって想像しながら化石を見ると、ただ眺めるより何倍も楽しくなりそうです。
▲化石ってロマンチックなんですね

ダイノストリートを抜けた先には「ボーンベッド」と呼ばれる、アメリカで見つかったカマラサウルスの全身骨格が待ち構えています。身体がえび反りになった状態で発見されたもので、ほぼ全身の化石がそのまま残っているものは非常に珍しいのだとか。
▲全長約15m!きれいに発掘するのも大変そうです

このあたりから次第に「ウォー!」という低い唸り声が聞こえてきます。あきらかに凶暴そうな声です。
階段を登っていくと……いました!恐竜の王者“ティラノサウルス”です!

ドーム状になっている展示室の中央でひときわ目を引くティラノサウルスのロボット。
7m以上ある巨体を動かしながら来館者を威嚇します。
▲頭や尻尾を動かしながら唸る様子は、離れた場所から見ても圧倒的な存在感です
▲迫力満点!今にも襲い掛かりそうですが、足は固定されているのでひと安心
▲東京のロボットを製作する会社と博物館の研究員が共同開発し、皮膚の質感もリアルに再現されています

ほかにも、館内には計43体もの全身骨格が展示されています。実物の化石を使って骨格を復元したものや、皮膚の痕が手や背中に残りミイラ化した恐竜、全長1mほどの小さな恐竜から20m以上の巨大なものまで、じっくり観察していると時間が経つのを忘れてしまいます。
▲今年(2016年)2月から展示がスタートしたブラキオサウルスの全身骨格はなんと22m!
▲ヒプシロフォドンの大きさは1.2mほど。お家で飼えそう…
▲ほぼ原寸サイズのジオラマは恐竜の世界を仮想体験できます

その他、館内には展示がより楽しめるような工夫がいたるところになされています。
例えば、全身骨格のすぐ近くにあるブロンズ像は触れることができるので、目が見えない方も恐竜の全身の形がわかるようになっているんですよ。
▲一部のブロンズ像はさわると、骨格の頭と尻尾から発信音が出るようになっていて、目の悪い方にも恐竜の大きさをわかっていただける工夫がされています

さらに目を凝らしてみないと気づかないような仕掛けや「隠れキャラ」など、思わず誰かに教えたくなるようなポイントも。
▲脇腹のあたりをよーく見てみると、実はこの恐竜、呼吸しているんですよ
▲当時も生息していたカメや昆虫など、恐竜以外の生物も細かいところまでこだわっています
2階の展示室は「生命の歴史」コーナー。背骨のある動物が進化していく様子を学ぶことができます。クジラやウミガメの祖先、巨大なマンモスなど、恐竜とはまた違った迫力に引き込まれます。
▲始祖鳥だけでも7体の標本を展示

また、1~2階の「ダイノラボ」では本物のティラノサウルスの化石にさわることができたり、あらゆる角度から全身骨格を観察できたりするなど、五官を刺激するような展示方法で子どもたちに大人気の空間です。
▲ティラノサウルスの化石に触れるなんて珍しいですよね。ついペタペタ触ってしまいました(笑)
▲背骨ってこうなってるんだ~。上からティラノサウルスを見下ろす景色は圧巻です

館内には博物館のスタッフが何人も常駐しているので、わからないことがあれば質問してみるのもオススメとのこと。きっと張り切って答えてくださるはずですよ。

では私もずっと気になっていたことを早速質問してみたいと思います!

博物館を作ったきっかけは小さな石でした。

そもそも、なぜ福井で恐竜博物館を建てることになったのでしょう?
スタッフの方にたずねると、数センチほどの小さな化石をご紹介してくださいました。

「かつて日本では恐竜化石は見つからないと言われていたんです。しかし、1982年に当時中学生だった女の子が石川県で見つけた石の中にあった化石が、実は肉食恐竜の歯だったことがわかりました。北陸三県(石川・富山・福井)と岐阜には手取(てとり)層群と呼ばれる恐竜時代の地層が広がっていて、ここ勝山でもカメやワニなどの化石が見つかっていたことから、大規模な発掘調査に乗り出したのです」。

その結果、次々に恐竜の化石を発見!中学生が見つけた小さな石が多くの人を巻き込み、今や世界に名高い恐竜博物館を立ち上げるきっかけになったなんて、何だかとても感慨深いですね。
▲福井が「恐竜王国」と呼ばれるきっかけになった肉食恐竜の歯

その後、さらに県内で調査は進み、「フクイサウルス」をはじめ、「フクイラプトル」や「フクイベナートル」、「フクイティタン」など、国内で名前がついた7例の新種恐竜のうち、福井では5例が見つかりました。
▲全長は約10mになるというフクイティタンの大腿骨などの化石

そんな世紀の発見に欠かせないのが地道なクリーニング作業。
館内にある化石クリーニング室はガラス張りになっており、常時作業の様子を見ることができます。
化石は発見された時、通常は岩に埋まっているので、まずは化石についた余計な石を取り除くことから始めていきます。
近づいて見ると、数種類の太さのペンタイプの機械を使い、化石を壊さないよう丁寧に作業している様子がわかります。
▲この緻密な作業が恐竜研究の進歩につながっているんですね

恐竜の化石を見つけるチャンス!自分で掘り出してみよう!

恐竜博物館では2014年7月に化石発掘現場の様子を体感できる「野外恐竜博物館」をオープン。
専用バスで勝山市北谷町にある発掘現場まで向かい、ナビゲーターによる解説を聞きながら発掘現場の見学や、実際に石を叩いて化石を見つける発掘体験もできます(有料)。

所要時間は約2時間。事前予約が必要ですが、貴重な体験ができるオススメのコースです!
※2016年度の実施日は4月23日(土)~11月3日(木・祝)。料金や予約方法など詳しい情報はホームページをご確認ください。
▲発掘現場のすぐそばで作業を見学。重機を使った大規模な発掘など貴重な様子を見ることができます(提供:福井県立恐竜博物館)
▲植物の化石や貝の化石、ワニの歯の化石などが見つかるそう。もちろん、恐竜の一部が見つかる可能性も!(提供:福井県立恐竜博物館)
▲これって何の化石?そんな場合も研究員から詳しい解説を聞くことができるので安心です(提供:福井県立恐竜博物館)

恐竜づくしのレストランメニュー

さて、館内をめいっぱい回った後はお待ちかねのランチタイムです。
恐竜博物館ではカフェ&レストラン「Dino」で個性的なメニューをいただくことができます。
▲恐竜の足跡の形をしたバンズが特徴の「恐竜バーガー」(560円・税込)
▲「化石発掘オムハヤシライス」ミニサラダ&スープ付き(1,300円・税込)。中から何が出てくるか、食べてみてのお楽しみ
▲キッズメニューも充実!「きょうりゅうランチプレート」はドリンク付きで1,030円(税込)

明るく開放的な空間はもちろん、山々の景色を眺めることができるなどロケーションも抜群です。

ここでしか買えないオリジナルのお土産や伝統工芸とのコラボ商品も!

お土産選びも楽しみの一つ。館内にはミュージアムショップ「DINO STORE」もあります。

恐竜博物館には幅広い世代が訪れるため、お菓子や雑貨、食器、文具など子ども向けから大人向けまで楽しめる商品が充実!
博物館オリジナルの商品も多いので、ぜひ立ち寄ってみてください。
▲オリジナルの「ロングバウムクーヘン」(1,620円・税込)は恐竜の背骨を表現
▲子どもに人気のぬいぐるみは大きさも種類も豊富(写真の商品は1,944円・税込)

博物館土産も福井土産も探しているそこのあなた!福井県の伝統工芸とコラボした商品もありますよ。
▲越前漆器の技術を使った箸と器。さりげない恐竜がかわいい(漆器箸:1,296円~、お椀・大:2,700円 共に税込)
▲越前和紙を使った3Dパズルは幅広い年代のお客さんが購入されるそう(3,024円・税込)
家族で訪れるのはもちろん、一人でもお友達同士でも楽しめる大迫力の恐竜博物館。
これまで恐竜に馴染みがなかった方もきっと大満足できるはずです。
福井旅行の際にはぜひ足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
石原藍

石原藍

ローカルライター。 大阪、東京、名古屋と都市部での暮らしを経て、現在は縁もゆかりもない「福井」での生活を満喫中。「興味のあることは何でもやり、面白そうな人にはどこにでも会いに行く」をモットーに、自然にやさしく、心地よい生き方、働き方を模索しています。趣味はキャンプと切り絵と古民家観察。

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