わざわざ行きたい!箱根で訪れるべき洋食店3選

2016.05.12 更新

国内を代表する観光地である箱根は、古くから避暑地として外国の要人をもてなしてきたことから洋食文化が発展し、オリジナルメニューの充実した洋食店が数多くあります。今回は、箱根湯本、上強羅、強羅にある、リーズナブルながら味がばつぐんにおいしい3つのお店を訪れました。これだけを目当てに箱根に訪れたいと思わせるほどおいしい洋食を紹介します。

箱根ホテルの元シェフが作る、ほっこりビーフシチュー

最初に向かうお店は箱根湯本駅の近く。駅周辺は平日にもかかわらず、多くの観光客であふれていました。
▲駅前には土産店がずらりと並んでいる
▲駅のすぐ近くにある「あじさい橋」からの眺め。6月から7月にかけては川岸にあじさいが咲き誇る

箱根湯本駅から歩いて10分ほどで、お目当てのお店、「木のぴーHouse」に到着しました。
▲入り口には、メニューが書かれた黒板や植物が並ぶ
▲お店の中は自宅にいるかのように家庭的な雰囲気

注文したのは「ハンガリー風ビーフシチュー」。

じつはこのメニューは、3年くらい前に小田急電鉄が発行する本に「木のぴーHouse」を掲載するために、「なにかあたたかいメニューを」と依頼されてシェフの木下映三(えいぞう)さんが考案したもの。当初は3カ月くらいの期間限定メニューの予定でしたが、あまりの人気で定番メニューになりました。
▲器に入れた野菜の上に、あらかじめ煮込んであったビーフシチューをかけてさらに煮込む

木下さんは以前、箱根の有名な老舗ホテル「箱根ホテル」と、「箱根ホテル」直営のレストラン「シュミットハウス」でシェフをつとめていました。

1992年、「箱根ホテル」が「富士屋ホテルレイクビューアネックス 箱根ホテル」としてリニューアルオープンする際に、お母様のご病気とご自身の体調が理由で退職。その後、地元の人々に気軽に自分の料理を楽しんでもらいたいと、同年「木のぴーHouse」をオープンしました。
▲とても気さくで笑顔が素敵な木下映三さん
▲奥さんの冷子さん。じつは以前、奥さんがラーメン屋さんで働いていたことから、開店当時のメニューにはラーメンもあり、冷子さんが作っていた

こちらが「ハンガリー風ビーフシチュー」。下準備で1時間半煮込むというビーフシチューはトマトペーストが入っているため甘く、やさしい味です。中に入れたパプリカの香辛料が効いています。
▲スープとサラダとライス(もしくはパン)とコーヒーが付いて1,700円・税込

お肉はフォークを少しあてただけで崩れるくらいとろっとろ!あまりのやわらかさに思わず顔がにやけてしまいます。ニンジンやブロッコリー、ポテトなども、ビーフシチューとよくからんで、濃厚な味わいです。体の芯、そして心までポカポカとあたたまります。

セットのスープ(写真右上)は季節ごとに変わります。この日はちょうど夏のメニューのはじまりということで、赤ピーマンの冷製スープ。さわやかな味わいです。
冬はオニオンや生姜、ミネストローネなどのあたたかいスープになります。季節ごとに訪れれば、違うメニューを楽しめます。

サラダのドレッシングは、映三さんが22歳の頃に考案したオリジナル。さっぱりしているけれど、コクもあっておいしい。「箱根ホテル」の後輩や知り合いなど、さまざまな人に教えてきたドレッシングです。
▲サウザン風味でサラダにぴったり

総重量約400gのフワフワやわらかハンバーグ

「木のぴーHouse」には、もう1つ目玉メニューがあります。それは「ジャンボハンバーグ」(1,000円・税込)!なんと総重量約400gです。
▲ハンバーグの上にのった目玉焼きと一緒に食べる

こちらもハンバーグにフォークをあてただけで切れちゃうくらいのやわらかさ。さらに口に運ぶとフワフワとした驚きの食感!フライパンでひっくり返す際にも崩れちゃうくらいなんだそう。

大きいですが、肉がやわらかいためパクパク食べられます。食の細い女性でもひとりでペロリと食べてしまっているそう。

「ジャンボハンバーグ」は火曜と金曜に日替わりランチ(300g・1,080円・税込)のメニューにも登場します。日替わりランチには、スープとサラダ、ライスが付くので、火曜か金曜に訪れればお得です。
▲オリジナルドレッシングはお店で販売もしている。360ml(650円・税込)

箱根を訪れたら「木のぴーHouse」で丁寧に下ごしらえされた本格的な洋食を味わってみては?

肉厚のローストビーフがたっぷり入った贅沢サンド

次に向かうお店「Lunch Cafeそううん」は、箱根湯本駅から箱根登山鉄道で強羅駅に行き、箱根登山ケーブルカーに乗って上強羅駅を降りたところにあります。

ケーブルカーは駅に到着すると両方の扉が開きますが、「そううん」に行くには強羅駅から進行方向に向かって左側のホームに降ります。反対側に降りないように気をつけてください。
▲強羅駅と箱根ロープウェイ乗り場のある早雲山駅を結ぶケーブルカー

上強羅駅から歩いて3分ほどで「Lunch Cafeそううん」に到着です。
▲鮮やかな青い庇が特徴

大澤さん夫妻が切り盛りする「Lunch Cafeそううん」は、2013年5月に開店しました。もともとは同じ場所で「湯楽の宿 早雲館」という明治33(1900)年から続く、歴史ある温泉旅館を営んでいましたが、2011年に起きた東日本大震災を機に旅館をたたみ、改装をして、「Lunch Cafeそううん」をはじめました。お店の名前は「早雲館」の名残です。
▲青いテーブルクロスが美しくシックな雰囲気の店内。心地よい音楽が流れていた

注文したのは、人気の「ローストビーフサンド」(1,400円・税込)です。
▲バケットからはみ出るほど肉厚で大きなローストビーフ

牛肉はドライハーブや岩塩などを配合したオリジナルハーブソルトに漬け込んで焼いています。肉厚でやわらかく、とってもおいしい。軽くトーストしてカリッとした食感のバケットと、オリジナルソースとも相性ぴったりです。

セットで付いているスープのメニューはそのときによって異なります。この日はコンソメスープでした。

サラダのクレソンは自家栽培。
「なるべく手作りのものを食べてもらいたいので、上手にできたときだけお店に出しているんです」と奥さんの尚子さん。
お店で出すレモンや梅のジャムなども手作りしています。
▲敷地内の湧き水で栽培している。水温が一定のため育てやすいそう

自家製のスモークサーモンが絶品のピザ

さらに「スモークサーモンピザ」(860円・税込)もいただきました。
▲オレンジ色にきらきらと輝くスモークサーモン

スモークサーモンは、厚みがあり、やわらかくて上品なお味。上にかかったオリジナルのマスタードソースはサーモンとよく合い、思わずソースだけなめたくなるほどおいしい。トマトソースがベースのクリスピーピザとも相性ばつぐん。ピザ生地は皮から手作りしていて、焼き上がりまで少し時間がかかるため、お急ぎのときはご注意を。

このスモークサーモンや、ほかのメニューで提供しているベーコンは、敷地内にあるスモークハウスで作っています。
▲スモークハウスの前で微笑む大澤和行さんと尚子さん

サーモンや豚肉を塩漬けし、塩抜きしたあと、十分に乾燥させ、このスモークハウスに入れます。サーモンは常温で1日程度、豚肉は温度を調整しながら6時間程度、桜チップを使って燻します。じつは燻す時間よりも下ごしらえに時間がかかるそう。天気によって異なりますが、仕込みから完成までにサーモンは1週間、ベーコンは2週間くらいかかります。

ローストビーフもスモークサーモンも、旅館の頃からお客さんの料理に出していました。もともと釣りが趣味の和行さんが芦ノ湖で釣ったマスをスモークして食べていたことがきっかけで、お客さん用にも作りはじめたそうです。
▲旅館を営んでいた頃から料理は和行さんが担当

「Lunch Cafeそううん」では、こんがり焼いた自家製ベーコン&エッグ、パン(バケット)、ミニサラダ、コーヒー付きの「モーニング・プレート」(11時まで・650円・税込)も人気です。

どの料理も「手ごろな値段で楽しんでもらいたい」という二人の思いから、リーズナブルなお値段です。お客さんは地元の方が多いけれど、旅館を営んでいた頃のように、いろんな人にも来てもらいたいと話します。

ぜひ散策がてら上強羅まで足をのばして、「Lunch Cafeそううん」でやさしいお二人とおいしい洋食に会いに行ってみてください。

シーフードグラタンと幸せが詰まったパン!?

次は強羅駅へ戻って、行列ができると有名なお店、「ぱんのみみ」へと向かいます。強羅駅から歩いて10分ほどで到着しました。
▲お店の入り口には、かわいらしい季節の花が。外にはテラス席もある
▲カントリー風で明るい雰囲気の店内。店主の湯川喜美子さんが集めたかわいらしい小物が並ぶ

早速、「並んででも食べたい」と評判の人気料理、「ぱんグラタン」(980円・税別)を注文しました。
▲喜美子さんの娘の希(のぞみ)さん。続々と入る注文に応対しながら、手際よく作っていく

まず中身をくりぬいたパン一斤に、煮込んでおいた、とろっとろのシーフードグラタンをたっぷり詰めます。

その上からチーズをあふれんばかりにのせてフタをし、オーブンでじっくり焼き上げます。この時点で、すでにおいしそう……。
▲チーズがあふれている

10分ほど待っていたら、香ばしいグラタンのにおいがしてきました。ついに「ぱんグラタン」の登場です!

とにかくインパクトたっぷりのビジュアル。表面がきつね色にこんがり焼き上がったチーズは熱々で、「早く食べて」と言わんばかりにぷくぷくと動いています。見ているだけで、なんだか幸せな気分になってきます。
▲ミニサラダとポテトチップス付き
▲フォークで持ち上げるとチーズがとろ~りとろける

シーフードグラタンは大なべを4つも使って毎朝1時間ぐつぐつと煮込んで作っているそう。玉ねぎがたっぷり入っていて濃厚な味わい。でも、ずっと食べていても飽きのこない、どこか懐かしくやさしい味です。中にごろごろと入っているエビ、イカ、ホタテなどの魚介はプリプリです。

パンは箱根の宮ノ下駅にある、明治24(1891)年創業の老舗「渡邊ベーカリー」特注の食ぱんです。外はサクサクと軽く、中はフワフワとやわらかい食感で、やさしい味のグラタンにピッタリ。

食べること自体が楽しくなってくる

フォークでパンを崩してグラタンをすくって食べたり、手でパンをちぎってグラタンをつけて食べたり……。味のおいしさはもちろんのこと、食べること自体が楽しくなってきて、思わず笑顔がこぼれます。
▲「崩れる~」と言いながらワイワイ食べると楽しい

とにかくボリューム満点!パンの食感が軽いため、意外とひとりでも食べ切れちゃいますが、恋人や友達とふたりでシェアしてもいいかもしれません。

この「ぱんグラタン」は、1996年の開店当時から提供している大人気メニューで、テレビや雑誌などでもたくさん取材され、なんと1日で平均80~100個も注文されるほど。地元の方はもちろんのこと、観光客も多く訪れています。

この日は15時頃でも間に合いましたが、「ぱんグラタン」が売り切れないうちに早めに訪れるほうが安心です。とくに土日は観光客で行列ができてしまうので、平日が狙い目です。
▲店内には「ぱんグラタン」を食べに訪れた芸能人のサインがずらり!

希さんをはじめとする明るい女性スタッフたち、そしておいしい料理をほおばるお客さんと、店内には明るい声と笑顔があふれていました。見た目のインパクトだけでなく、味もばつぐんにおいしい「ぱんグラタン」。箱根に訪れたら、ぜひ一度は食べてみるべき一品です。
撮影:鈴木俊介
桑沢香里

桑沢香里

編集者、ライター。出版・編集プロダクションのデコに所属。雑誌、書籍、小冊子、ウェブ媒体の編集・執筆などを手がける。編集を担当した本に『わたしらしさのメイク』『おとなのヘアケア読本』(ともに技術評論社)、『劇団四季ミュージカルCATSのすべて』(光文社)、『大相撲手帳』(東京書籍)、『大相撲語辞典』(誠文堂新光社)などがある。

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