とんこつラーメン「一蘭」が自然あふれる観光スポットに?「一蘭の森」で、食べて、知って、楽しむ!

2016.05.09

福岡ひいては全国で超人気のとんこつラーメン店「一蘭」。現在、国内外に57店舗、2016年夏頃にはニューヨークなどにも出店を予定。ラーメン好きでなくともその名を知っている人は多いはず。そんな「一蘭」が2014年7月、福岡県糸島市に作ったのが、工場と店舗を併設した「一蘭の森」。なんと東京ドーム約2個分の施設が、今や癒しの観光スポットになっているらしい…。その理由を探ってきました!

実際に工場を見てもらいたい!
そんな思いから誕生した「一蘭の森」

とんこつラーメン=「体に悪い」、「太る」…。
そんなイメージを持っていませんか?

結論からズバリ言いましょう。
そんなことはありません!
「一蘭」のとんこつスープは
・天然原料100%のあぶらを使用
・天然コラーゲンたっぷり
なのです!

血液中の悪玉コレステロールを増加させてしまうトランス脂肪酸。「一蘭」で提供するのは、天然原料100%のあぶらを使用した業界初の「トランス脂肪酸ゼロ」のラーメンだそう。また、特別な小麦粉を独自にブレンドした自家製麺や秘伝のたれなど、「一蘭」の材料は製造から販売まで一貫した品質管理・生産管理システムにおいて作られているのです。
すべては「安心」「安全」「本物」「健康」にこだわっているから。
この取り組みが認められ、「一蘭」はラーメン業界で初めて品質管理実現の国際標準規格であるISO22000を取得しています。
簡単に言えば、“美味しさを保ったまま、安心・安全と健康に配したラーメンを作っている”のです。
だけど、どんなに「安心」「安全」「健康」とうたっても、お客様に心から安心していただけるわけではない…。そこで作られたのが自由に工場見学(無料・予約不要!)ができる「一蘭の森」です。実際に作っている様子を見ていただき、安心してラーメンを食べていただこう、そんな思いから誕生しました。
▲施設までの道を作る凛々しい孟宗竹!

実際に行ってみよう。
自然溢れる福岡県糸島市へ!

「一蘭の森」が誕生したのは、福岡都市部から車で約40分の糸島市。総敷地面積約9万4,000平方メートル、駐車場は594台収容…なんともスケールがでっかい!この広大な敷地に、「音と光の茶庭」、「美味しいラーメン生産工場」、「とんこつラーメン博物館」、「お食事処」、「おみやげ販売処」の5つのエリアがあります。
広大すぎる駐車場にもびっくりですが、入り口にも驚かされます。施設へ誘うのは、「一蘭の森」の提灯を左右に掲げた竹の道!
カッコいい!!
数年経てば、この竹が「一蘭の森」全体を覆うほど成長するのだとか。
▲青空に生える真っ白な建物と、一蘭のロゴ!
竹林を抜けると、一蘭のロゴが入った真っ白い建物が目に入ります。こちらは4つのエリアが併設されており、手前から奥に向かって「おみやげ販売処」、「お食事処」、「とんこつラーメン博物館」、「美味しいラーメン生産工場」が並びます。
広報宣伝の柴山さんに案内していただき、まずは工場へ。
▲自家製麺がベルトコンベアーで運ばれていきます…
「美味しいラーメン生産工場」では、製麺工程や品質チェックなどの様子を窓越しに眺めることができます。この糸島の工場では1日に、9万食分の麺・7万食分のスープ・10万食分のチャーシュー・9万食分の秘伝のたれを製造しているそう!麺とスープは関西から西の27店舗分を製造、秘伝のたれと素(もと)ダレは国内外の全店舗分を製造しているのだとか!
1日9万食分…!
一体1日にどれくらいのラーメンが店舗で提供されているんですか?の問いには、「企業ヒミツです!」との返答。
う~ん、残念!でも少なく見積もっても1日に数万人の方が、ここで作られた一蘭のラーメンを食べているってことですね~。
基本的な製法はもちろんありますが、職人さんがその日の温度や湿度などに応じて配合などを微調整しているのだそうです。工場とはいえ、人の経験や勘が生かされています。

思わず「へぇ~!」と唸る
一蘭ラーメンのスゴイ話

工場見学の際に、柴山さんに色々な面白いお話を伺いました。明日誰かに話してみたくなるそんな「一蘭」の製法にまつわる“へぇ~話”をご紹介!

まず一つ目は製造スタッフさんの話。
製麺、スープ、チャーシューなど、各材料ごとにチームがあるのですが、工場では自分が所属するチーム以外では働けないそう。
つまり、スープチームのスタッフが来年は異動で製麺チームへ。とか、
今日チャーシューチームの人が足りないから、製麺チームから一人補充。などはできないのです。各製造ルームも、部屋として分かれており、別チームの部屋には行き来できなくなっているのだとか。

これは、「一つ一つの材料を究める」という一蘭の指標によるもの。器用なオールラウンダーではなく、一つのモノを究める職人たれ、ということでしょうか。だから、工場で働いていらっしゃる方はスタッフさんというよりは職人さん、なのです。
▲品質チェックチームの職人さん
もう一つは、スープの素ダレと秘伝のたれにまつわる話。
素ダレとは、味の決め手となるタレのこと。この素ダレに加えてとんこつスープを注ぎます。その名前通り、味の基本となるこのスープと秘伝のたれの製法を知っている方は、わずか4名しかいないそう。
そして、その4名に関しては社外秘なのです!
だから出張や社員研修などがあっても、万が一事故にあった場合に備えて、4名の方々はそれぞれ別の便や公共機関で移動されるとか…。

スゴイ!もう私の頭の中では、秘密組織とかが出てくるスパイ映画のよう…。表向きは工場で働くスタッフ…その正体は、命より大事な味を伝承した4名の職人…!すいません、想像が飛躍しすぎです…。でも、これだけ大事に大事に、一蘭の味は守られているということです。

とんこつラーメンの歴史を知る
「とんこつラーメン博物館」

▲一蘭ラーメンの作り方やご当地ラーメンマップなどを展示
▲案内してくださった柴山さん。ラーメンは「やわめ」、秘伝のたれは「1/2」派
さて次は「とんこつラーメン博物館」へ。
ここでは、一蘭の歴史や味はもちろん、とんこつラーメンの歴史や全国のご当地ラーメンマップなどを展示しています。小学生のお子さんでもわかるよう、すべてパネルにはふり仮名が振られていました。小さなことですが、お子さんにも楽しんでもらいたい、という気持ちが伝わりますね。
▲パネルで登場する一蘭のキャラクター「ぶ~たん」。週末には本物の「ぶ~たん」に会えるそうですよ
▲国内外の一蘭の店舗に訪れた著名人の方々のサインがズラリ!

お待ちかねの食事は
タイムスリップする時代を選んで?

さぁ、いよいよお待ちかねのラーメンです!
ここでもユニークな仕掛けがありました。
お食事処は、中洲(なかす)でとんこつラーメンが発祥したと言われる昭和10年代、屋台や店が次々に誕生した昭和20年代、懐かしいムード満載の昭和30年代の3つの時代に分かれており、好みで選ぶことができるのです。
▲昭和10年代の屋台入り口
▲昭和20年代の屋台店内
今回は昭和30年代の屋台をイメージした食事処をチョイス。
なるほど、中洲のネオン写真を壁紙にして夜の屋台を演出されていますね…。

…ん??
▲中洲のネオン看板を…
▲よーく見てみると…!!
何ですか、コレーーー!!!!

「占い館でたらめ」、「諦めないでその頭 育毛専門ハゲザンス」、「即日手術 内科クリニックやぶ」…など、思わず突っ込んでしまうネオン看板の数々!!
(私のお気に入りは「羽毛布団 なまり」です。…布団重いっ!)

食事を待つ間も楽しんでもらおうと洒落の利いた看板にしたそうですが…いやぁ楽しすぎです!!
ちなみに、企画段階でスタッフさんたちがネオン看板のアイデアを出したそうなのですが、今実際に看板になっているものの数倍もアイデアが出たそうですよ。
このエピソードからも、楽しそうな社風が伝わってきますね~。

ここだけでしか食べられない!
工場限定のこだわりラーメン

一蘭のラーメンといえば、「天然とんこつラーメン(創業以来)」ですが、ここでしか食べられない限定ラーメンもあるんです。
それが「滋味系とんこつ」と「市場系とんこつ」(各790円・税込)。天然コラーゲンがたっぷり溶けだした濃厚な「滋味系とんこつ」、絶妙な塩気であっさり食べられる「市場系とんこつ」は、一日数量限定のラーメン。ここに来たらやっぱり食べてみたい!ここは「滋味系とんこつ」を注文します!
▲滋味系とんこつ(790円・税込)
▲市場系とんこつ(790円・税込)
…注文用紙に記入していると、おや?「お名前またはすっとぼけたニックネーム」の欄があります。…ここも何だか楽しそうな匂いがプンプンします!
▲いろいろ考えたけれど、お仕事なので「チエポン」で…
一蘭は「15秒の掟」があります。これは、出来上がったラーメンを15秒以内にお客様に提供するということ。出来立てをすぐに食べていただきたいというこの掟、どんなに忙しい時でも守られるというからすごいです。
さて、15秒待たずして到着したようです、私の「滋味系とんこつ」。
…お待たせしました、チエポンさま!

きゃっ!まさかの名指し!
店長の下川原(しもがわら)さんが満面の笑顔でラーメンをテーブルに置いてくださいます。先ほどの注文用紙はこういうことだったのですね。ちょっと恥ずかしいけど、何だかうれしい…。

今まで他にどんなニックネームを呼ばれたんですか?
「いろんなニックネームを呼ばせていただきましたよ、困ったニックネームはなかったですね。強いて言えば、長いものはありましたけど」とのことです。
看板といい、このサービスといい、ラーメンを食べる前から何だか楽しい気分になります!

さてさて、「滋味系とんこつ」はというと、とろっとした口当たりで濃厚な味わい。ちなみに、一蘭の会社の方々は、「やわめ」の麺を好まれる方も多いとのこと。より麺にスープが絡むということで、いつもは「かため」を選択のところ、今回「やわめ」で注文してみましたが…これが正解!もちろん、好みはあるとは思いますが、私もカメラマンもともに「今後はやわめ派」に鞍替えしたのでした。お試しあれ!

一蘭といえばコレ!
味集中カウンターもあります

一蘭で特許を取得している「味集中カウンター」。一席ごとに仕切りがあり、ラーメンと一対一で向き合える席です。もちろん「一蘭の森」にも、3つの食事処とは別に味集中カウンターがあります。そしてここにも、味の濃さ、麺のかたさ、秘伝のたれの有無など7つの質問に○をつけて注文する、通常のラーメンオーダー用紙。目の前のラーメンに集中して味わいたい方はこちらをどうぞ。
▲ご存知!味集中カウンターとオーダー用紙。このオーダー用紙で自分好みの味が選べます!

お土産も限定品を狙うべし!

▲一番人気の「一蘭ラーメン」のほか、限定品も多数
「お食事処」のとなりにあるのが「おみやげ販売処」。ここでは人気の「一蘭ラーメン」(5食入1,290円・税込※10食、20食、40食入りもあります)のほか、「一蘭の森」限定のお土産も多数。干しエビや香味食材をこだわりの油で煮詰めたオリジナルラー油「蘭油(らんゆ)」は、いろんな料理に使用できると評判なのだそう。
▲「蘭油」は90g入りで1,500円(税込)

毎日深夜1時までライトアップ
ロマンチックな「音と光の茶庭」

「一蘭の森」が観光スポットとしても人気な要因の一つは、敷地内の一番奥にある「音と光の茶庭」。ここは、一面にクローバー(シロツメクサ)を植えた緑の広場です。広大なクローバーの草原に、思わずゴロンとしたくなる心地よさ!そんな人たちのために、要望があればブランケットやレジャーシートも貸してくださるという、なんともうれしい場所なのです。茶庭の入り口ではドリンクを販売している屋台もあるので、ピクニック気分が味わえちゃいます。
▲なんと、茶庭だけで東京ドーム1個分の広さ!
▲青々と茂るクローバー。5月下旬は一面に白い花を咲かせるそう
そして、夜は昼の雰囲気を一変!和をイメージした茶庭の周りの竹をライトアップし、幻想的な空間に。音に合わせて赤や青にぼんやりと灯る美しい景色に、思わずじっと見入ってしまいます。しかもこのライトアップ、日没の30分後から営業終了の深夜1時までずっと点灯するのです。年中無休でこれだけ幻想的な景色がずっと眺められるなんて、贅沢すぎ!夏は心地よい夜空の下、ライトアップをのんびり楽しむのもおすすめです。
▲竹林が明かりに照らされる幻想的な世界に

「お客様の満足のために」
思いが詰まったおもてなし施設

一蘭のラーメンは大好きでしたが「安心」「健康」のイメージはつゆほども持っておらず、正直言って「一蘭の森」もルーチンワークの工場とラーメン店舗が併設されただけの場所だと思っていました。(ごめんなさい。)

でもここは、“お客様をおもてなしする場所”でした。

お客様に安心してもらえるように工場を開放し、
お客様に楽しんでもらえるようにユニークなサービスをし、
お客様に喜んでもらえるように美しい空間を無料で提供する。

これこそが一蘭が目指すサービスなのでしょう。
一蘭のラーメンは、1杯につき40人くらいの職人さんが関わっているそうです。それを出来てからたった15秒で提供できるシステムを確立し、安定した味を提供し続けるのはたやすいことではありません。
普段顔が見えない味集中カウンターで食べているから、職人さんや店員さんの顔を想像できていなかったのかもしれません。

ちょっと疲れたり、何か楽しいことがしたい!と思ったりしたら、ぜひ「一蘭の森」を訪れてください。ここには私たちをあの手この手で楽しませてくれる、笑顔の一蘭の方たちがたくさんいるんですから!
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴はや18年。3歳娘の子育てをしながら、旅行情報誌を中心に活動中です。

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