名古屋の味噌おでんとワインをいっしょに楽しめる店「カモシヤ」

2018.12.07 更新

名古屋の夜の繁華街で有名なのが錦(にしき)3丁目。通称「錦3(きんさん)」と呼ばれる煌びやかなこの街の一角にひっそり佇む和バルがある。フレンチレストランやワインバーなどで経験を積んだ橋本雄生さんが「幅広い年齢層にワインを楽しんでほしい」という思いでオープンした店だ。

ソムリエの資格を持つ橋本さんは名古屋人のソウルフードである味噌おでんをワインに合うよう、あっさり味に仕上げることにこだわったという。ん? 味噌おでんを中心に出す和バル!? しかもあっさり味の味噌おでん!? これは出かけねばなるまい。照明を落とした落ち着ける空間で味噌おでんとワインのマリアージュを楽しめるらしいその店を訪ねた。

しっとりとした雰囲気の和バル。

地下鉄栄駅の「10B」番出口のすぐ前にその店はある。外観は京都にあるような和情緒漂う町家風。この近辺でこれだけレトロな雰囲気の店は珍しく、好奇心をかき立てられるが、逆に敷居の高さも感じる。誰もがそうなのだろう。
聞いてみればおでんメニューは90円~(税込)と想像よりずっとリーズナブルなのに、2010年のオープン当初は入口付近で足を止めるものの、サッと入ってくるお客は少なかったそう。それが今では予約しないと入れない日も多い有名店へと成長した。
昔から続く造り酒屋から譲り受けたという蔵戸を引いて店内へと足を踏み入れる。入口付近にテーブル席があり、その先左側のカウンターには6席ほどがある。厨房はカウンターの奥。さらに進んだ正面には個室風の席まで用意されている。
こぢんまりしているが、それだけに落ち着いており、女性ひとりでも気軽に訪れることができる雰囲気だ。カウンター脇には大きなおでん鍋があり、その中で具材が煮込まれている。

八丁味噌を使うのに甘くない味噌おでん!?

この店のおでんは木曽川や長良川のシジミと牛肉で取ったダシに赤ワインと八丁味噌を合わせたオリジナルスープで煮込んで完成される。特徴は砂糖やザラメ、みりんを一切使わない点。
名古屋の味噌おでんは甘いのが定説だが、甘く仕上げるとワインが苦く感じられたり酸っぱく感じられたりするそうで、ここの味噌おでんはあっさり味に仕上げられている。あくまで大切にされているのは「ワインに合う」ということなのだ。しかも、これならそれぞれの具材の味が損なわれずに楽しめる。

人気は大根(250円税込※以下同)、すじ煮(480円)、テール(小680円、大980円)、玉子、ちくわ、こんにゃく(各150円)しらたき、、豆腐(各90円)。ほか、トマト、アボカド(各350円)といった変わり種も揃う。「フレンチ出身だから洋の素材にもチャレンジしたかった」と橋本さん。
ソムリエが経営するだけにワインのセレクトに強いこだわりがあるのも当然のことだ。「本日のグラスワイン」はスパークリングワイン1種類のほか、赤と白がそれぞれ3~4種類ずつ揃う。その他、80種類ほどのボトルワインがセラーにストックされている。
前述のように、おでんは意外にもあっさりしていてワインの味を邪魔することがないが、味わいに深みはある。相乗効果により、おでんもワインもさらなる美味しさが感じられるのだ。
橋本さんは現在、ひきずり鍋(牛肉の代わりに鶏肉を使うすき焼き)と鶏味噌おでんを中心に出す姉妹店の出店を検討している。昔からの隠れた名古屋名物を全国にあらためて披露してくれる橋本さんに期待が集まっている。
加賀啓伺

加賀啓伺

一般情報誌をはじめ、自動車雑誌、旅行雑誌など、なんでもこなす雑食ライター。今まで一番ヘビーだったのはある夏、朝から晩までスーパー銭湯を何軒も取材した翌日に鈴鹿8時間耐久レースを取材したこと。日々の癒しは取材の合間のカフェ巡りと愛犬コーギーの散歩。

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