SF映画? 要塞? ロマンチックな四日市コンビナート夜景クルーズに、カップルもファミリーも大満足!

2015.06.22 更新

サブカルチャーの枠をこえて、一般的にもすっかり認知された「萌え」という言葉。その対象は美少女だけではありません。いまや工場にも萌える時代なんです。従来、決してきれいとは言えない外観だとされてきた工場ですが、近年、その工場に美を見い出す動きがインターネットなどを通じて拡がっています。ということで、今「工場夜景」がブーム。そんな中、日本でも有数の一大工業地帯、三重県四日市市では、フェリーで遊覧しながら優雅に工場夜景を楽しむ「四日市コンビナート夜景クルーズ」が大好評。工場萌えな人にはもちろん、ただの夜景じゃ物足りないという人にもオススメの人気クルーズに潜入してきました!

四日市市工場夜景

■いざ、工場夜景の聖地へ

工場や倉庫が立ち並ぶ四日市港のフェリーターミナルに、ぞくぞくと集まってくる人たち。プロ顔負けの一眼レフカメラを首からぶら下げている方や、カップルや女性同士、お一人様まで年齢も性別もさまざまです。
フェリー第二志ほかぜ
▲乗船したフェリー「第二志ほかぜ」
「四日市は日本で初めて石油化学コンビナートができたところで、第1から第3まで3つのコンビナート群があるんですが、それらがギュッと密集しているんですね。これは四日市コンビナートの大きな特長のひとつで、光の密度がすごく高いんです。そうしたことから工場夜景ファンからは、工場夜景の聖地と言われています」
係の方のお話どおり、四日市コンビナートの夜景は、工場鑑賞愛好家の口コミなどで注目を集め、不動の人気を獲得しています。2010年にはじまったこのクルーズも年々予約が倍増し、大盛況だそうです。

四日市ぜんそくなど、不名誉なイメージも強かったこの地域ですが、今では徹底された環境管理が行われています。その結果、もやがかっていた空は、濁りが消えてすっかりきれいに。伊勢湾ごしに遠くの中部国際空港の明かりまでクッキリと見えるようになっています。
フェリー乗船の様子
ライフジャケットを身につけ、気分も高まってきたところで、いざ乗船。フェリーには通常の座席もあって、ガラス越しに座って景色を眺めることもできますが、オススメは後方のオープンデッキ。海風を感じながら、景色をぐるっと見渡すことができるつくりになっています。
「ドッ、ドッ、ド…」
フェリーのエンジン音とさざ波の音が、なんとも心地よいリズムを刻みます。
さっきまで汗ばんでいた体も、爽快な海風でクールダウン。気分は最高です。
まだ明るいなか、フェリーがまず向かったのは、潮吹き防波堤。明治18年(1885年)に作られた、非常に珍しい水抜き穴のある石積みの防波堤です。
潮吹き防波堤
▲国の重要指定文化財にも指定されている潮吹き防波堤。
フェリーは見どころや撮影ポイントに合わせてしっかり減速してくれます。
小さな気遣いですが、心憎い演出ですね。
夕暮れ時の四日市コンビナート
高々とそびえる工場の煙突や圧巻の巨大タンクなど、それだけでも充分目を奪われる景色ですが、徐々に日が暮れだすと、光の演出によって、昼間とは違う幻想的な表情をのぞかせはじめます。

「あ、今日はLPGの巨大タンカーが入っていますね。LPGというのは…」
このクルーズでは、コンビナート企業で働いていた4人のOBさんが、交代でガイドとして解説をしてくれます。工場は、その日によってさまざまな表情を見せます。ガイドさんは、毎日ひとつとして同じ状況ではない工場を、たくみに解説。工場にくわしくない人にもわかりやすいその話術は、まさに職人技。解説は、その日の客層や反応にあわせても変えているとのこと。毎回違った景色、違った解説を楽しめ、ただ美しいだけでは終わらないのもこのクルーズの魅力のひとつです。
クルーズガイドの古市さん
▲かつて現場で得た豊富な知識に加え、その後も、独自に工場見学や下調べを入念に重ねているという、この日のガイドの古川さん。まさに四日市コンビナートのスペシャリスト。ときにクイズを交えたりしながら、軽快なトークで乗客を和ませます。

■海からのロマンティックな眺めは、まるで別世界

完全に日が落ちた、クルーズ後半。圧巻の景色が次々と広がります。
工場夜景にカップルもうっとり
キラキラと水面に反射する光も、なんともドラマチックで幻想的。陸から見るのとはひと味違います。

■SFの世界に迷いこんだような、息をのむ美しさ。

フェリーが最後に向かうのは、第1コンビナート。
幻想的なその姿が、まるでファイナルファンタジーに出てくる魔晄都市ミッドガルにそっくりだとインターネット上で話題になっている場所です。
四日市第一コンビナートの工場夜景
工場の無機質なフォルムが醸し出す造形美に光の魔法がかけられ、なるほどSF映画やゲームの世界のよう。
まるで近未来の要塞か、あるいはH・R・ギーガーの作品のなかに紛れ込んだのかと、自分の目を疑うような感覚に陥りました。
四日市コンビナート夜景クルーズの工場夜景
この日体験したのは、定番の「60分プラン」。他にも定員100名の大型フェリーでたっぷりと時間をかけてめぐる「90分プラン」もあります。さらには、時期によっては、花火と工場夜景を合わせて楽しめるクルーズや、フェリーをライトアップして行われるクリスマス特別クルーズなども。
日本有数の工業地帯四日市だからこそ見ることのできる重厚な構造美をもった工場群に、美しく広がる壮大な空と海。自然とテクノロジーとの究極のコラボレーションアートに感動を覚えた一夜でした。
カメラで究極の一枚をねらうもよし。カップルでロマンティックな時間を過ごすのもよし。老若男女を問わず、どなたにもオススメできるクルーズです!
James

James

イギリス人と日本人とのクォーター。大学では工学部、情報システムを専攻したかと思えば、ミュージシャンとしてギタリスト、MC、DJとして活動。TVやラジオなどでも活躍。その後(株)アドビジョンにて、デザインやコピーライティングなどマルチに活躍。バックグラウンドを活かした独自の視点が人気のライター。

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