絵巻物の世界のような「聚碧園(しゅうへきえん)」
春は桜、夏は青々とした緑、秋は鮮やかな紅葉、冬は純白の雪景色と四季折々の情景が見る人を魅了する大原。この大原を代表する寺院が、紅葉と紫陽花の名所として知られる三千院です。特に紅葉の季節は、多くの観光客で賑わいますが、早朝だったら、比較的人も少なく、ゆっくりと回ることができます。三千院は、最澄が延暦寺を建立の際に、比叡山に小さなお堂を建てたのが始まりだと言われており、明治時代以降に現在の場所に移転しました。また、木立や苔など、自然の要素が調和している2つの庭園を有しています。まず、客殿前に広がる聚碧園は、木々の揺れる音や鳥のさえずりが響く、雅な印象の庭園です。江戸時代の茶人・金森宗和(かなもりそうわ)が、自然が織りなす庭園の美しさに感動し、手を加えたことで、今日の形になったそう。庭園内には川が流れているほか、地形に合わせた刈り込みと池の配置が、奥行きと立体感をより一層引き立てます。客殿の縁側に座ると、まるで絵巻物の世界に入ったかのような雰囲気を味わうことができます。