私の京都朝観光~京都人が勧めるとっておきの朝~ 神楽岡~吉田山と金戒光明寺~ 未生流笹岡 家元 笹岡隆甫さん

笹岡 隆甫さん

笹岡 隆甫(RYUHO SASAOKA)

華道「未生流笹岡」家元。3 歳より祖父の二代家元笹岡勲甫から指導を受け、2011年に三代家元を継承。舞台芸術としてのいけばなを追求し、国内外で花手前(いけばなパフォーマンス)を披露。京都いけばな協会理事。京都ノートルダム女子大学客員教授。

花や自然を愛でる機会が多い京都
美しさが増す朝の光で楽しんで

 1919年に京都で創流された「未生流笹岡」。理論派の華道で知られる流派の三代家元は、京都で生まれ育つ生粋の京都人。ご自身にとって京都とは?
 「いけばな発祥の地ということで、他の地域に比べて華道家人口が多いといわれます。各流派が主催するいけばな展も多く、京都いけばな協会のパブリックな行事だけで年間5回あります。例えば毎年12月に開催される[京都・嵐山花灯路]、お正月には[ジャパンスピリッツin京都~華の競演~]を京都駅、駅ビルで開催します。京都では、こうしたイベントを通して、観光の方や一般の方に、文化に触れていただく機会が多い。
 もちろん、京都の人が全員いけばなをなさるわけではありませんが、花に対する興味をお持ちの方はたくさんいらっしゃる印象があります。花々が咲く日本庭園を持つ寺院、鎮守の森に囲まれた神社、登頂時間が数十分という山や小高い丘など、遠くまでわざわざ車で行かなくても、四季折々の自然に触れる機会が気軽に持てるからかもしれませんね。京都では、訪れた時間帯により空気感が違います。見えてくる風景も変わります。とくに朝の光は綺麗でしょう。朝にいけばな作品を眺めると、日中とは全く違った姿を見せてくれます。だから、いけた花を写真で残す時には、朝の光で撮るのが好ましい。京都のさまざま観光地へ訪れるのも、朝という時間帯ならいつもより以上に美しいと感じていただけるのではないでしょうか。」

金戒光明寺

子どもの頃の両親との思い出も多数
吉田山を登り界隈のお寺さんで一服する朝

 笹岡さん曰く「両親は山登りが好きでしたね(笑)。自宅から近いということもありますが、大文字と呼ばれる東山の如意ヶ嶽は1ヵ月に1度は登っていました。子どもの私にとって、「休みの日=山登りの日」でした。一番の楽しみは、おやつに食べる缶に入ったドロップで、ハッカだと両親に食べてもらっていましたね(笑)。見慣れた町の景色も山頂でお弁当を食べながら見ると新鮮でした。山の上から俯瞰した町は、なぜか普段とは違って見えました。とくに吉田山は、山頂に小さな広場があり、そこから正面に見る如意ヶ嶽の[大]の文字がとても印象的です。自分が登ることもある山を、実際には吉田山の方が随分と低いのですが、同じような高さにいる感覚で見るのも不思議な感覚でした。」

「吉田山へは、いつも今出川通り沿いの登り口から入ります。緑に囲まれて、木々の香りを楽しみながら山頂へ。その後は、吉田神社に参拝したり、金戒光明寺にお参りしたり。ゆったりとした朝の散策は、気分をすっきりさせます。吉田神社は2月の節分の頃に賑わいますし、金戒光明寺は桜や紅葉が美しい。スニーカーで十分登れますよ。」
 大人になってからも吉田山へは何度も訪れているという笹岡さんは、山頂にあるカフェがお気に入りと話す。「家族とも出かける吉田山には、『茂庵』という素敵なカフェがあります。京都のまちを一望しながらランチやお茶を楽しむひとときは、癒しの時間。家の近くにあるちょっとしたリゾートかな(笑)。このカフェから、神楽岡通りの方に下る道中も魅力的です。そもそも『茂庵』は、大正時代に創られた広大な茶苑で、今は二席だけですが以前は八席もあったそうです。その落ち着いた雰囲気を楽しんだら、続いて斜面地に建つ、昔ながらの家並みに情緒を感じます。登っているときよりも下っているときに見た風景の方が、より印象に残る気がします。 花をいける際、目の前の花に集中しすぎるとかえって花の美しさが見えなくなることがあります。そんな時は、昔のように、近くにある小高い山に登り、頭を休めるようにしています。緑に囲まれて過ごすひとときは、頭をすっきりさせてくれますし、自身を客観的に見ることができる気がします。視点を変えることで、きっと何かが見えてくる。それは、観光についてもいえることなのかもしれません。」

ランチのスープ・豆のマリネ付きピタパンサンド『茂庵』のスープ・豆のマリネ付きピタパンサンド1300円(ランチ)。+200円でコーヒーor紅茶or柚子ジュースのセットに


神楽岡

地元の人々の訪れる朝の散歩道
通称吉田山で親しまれる神楽岡

 江戸時代には遊宴の地として、また里山として存在する「吉田山」。古くから吉田神社を始め山腹に数多くの末社が点在し、神霊の丘のであった事から「神楽岡」の名でも呼ばれ、その名がこのあたり一帯のエリア名にもなっている。標高は約102メートル。登り口は一般的に3つ。今出川通りに入口がある「北参道コース」は、市バス「北白川」停留所近くにある鳥居から山頂へ登る約15分のコース。金戒光明寺から吉田山荘の前を通り竹中稲荷神社を抜け歩く「金戒光明寺コース」は約20分。吉田神社から龍澤池を抜け公園から山頂を目指す「吉田神社コース」は約15分。もし『茂庵』を訪れてからなら神楽岡通りから登る方法もある。

京都神楽岡エリア概要DATA

  • 金戒光明寺

    金戒光明寺

    075-771-2204
    京都市左京区黒谷町121
    時間/境内自由、志納所9:00~16:00

  • 茂庵

    茂庵

    075-761-2100
    京都市左京区吉田神楽岡町8
    営業時間/11:30~17:00(LO)、ランチは~14:00
    休業日/月曜休(祝日の場合は営業、翌火曜休)、年末年始他不定休

  • 吉田神社

    吉田神社

    075-771-3788
    京都市左京区吉田神楽岡町30
    時間/境内自由、社務所9:00~17:00

  • 吉田山

    吉田山

    京都市左京区吉田神楽岡町

笹岡さんのおすすめ「神楽岡」の朝観光ルート

  • 1吉田山
  • 2茂庵
  • 3吉田神社
  • 4金戒光明寺

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