産地ならではの新鮮なものや、地元の人がふだん食べているものを食べたい人におすすめ

炉ばたの「おやき」いろは堂―世代をこえて受け継がれる心と味

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長野県のソウルフード「おやき」。その中でもいろは堂さんのおやきは一味違います。

田舎暮らしに期待が高まったきっかけの一つがいろは堂さんのおやきとの出会いだったかもしれません。美味しくて、優しくて、懐かしい味。食べていると信州の情景と人々の営みが自然と浮かんでくるようでした。郷土食・伝統食に関心を持っていた私にとっては、信州のソウルフードと呼ばれる「おやき」を口にした時の感動といったら忘れ難いものがあります。 囲炉裏、小上がり、吹き抜け、和箪笥、うすといった昔の生活を感じる店内のしつらえ。「田舎って本当に良いところだな。また帰ってきたいな」、温かくて穏やかな気持ちにしてくれる店内でのひととき、都会ではなかなか味わうことができない素朴で贅沢な空間です。きっと私と同じように感動された方は数え切れないほど大勢いらっしゃると思います。 いろは堂さんの創業は大正14年、長野市では誰もが知る老舗です。今回お話しをお聞かせ下さったのは3代目の現在の女将さん、おやき事業の歴史はまるで映画のようなヒューマンドラマでした。 女将さんのお話しの中で特に心を打たれた言葉をご紹介させて頂きます。 「先代がおやき作りを始めたのは昭和40年です。おやきは当時お金を出して買う人がほとんどいない時代でした。鬼無里の奥裾花に本州一の水芭蕉の群生地が見つかったことで全国から大勢の方が観光にいらっしゃるようになりましたが、最初の頃、販売はなかなか上手くいきませんでした。白馬や戸隠のお店でおやきを扱って頂くために職人気質で無口な父と一緒に行動していましたが、父が頭を下げる姿なんてこれまで見たことが無かったので何とも言えない気持ちになりました。行商の帰り道、売れ残ったおやきを見たことが何度あったか、、、。来る日も来る日も父と一緒に色んな場所に売りに行ったんですね。辛いことが多かったですけど、笑顔を絶やさず実直な商いをやろうと努めてきたんです。今でこそ、広く全国のお客様から求めて頂けるようになりましたが、最初は売らせて頂けるところがあるだけでも有難いという気持ちでした」。 「従業員は家族のような存在です。同じ釜の飯を食べるという言葉がありますよね、私達はそれを大事にしてきました。お互いに支えあって大変な時代を一緒に乗り越えた従業員がいてくれたからこそ今があるんです。42年も勤めてくれた人もいたんですよ」。 「私の母はいつもこう言っておやきを作っていたんです。“心はんぶん、味はんぶん”、心をこめて作りなさいって。接客もすごかったですね。言葉での表現が難しいですが、母流のやり方があって、お客さんが喜んでいらっしゃった姿をよく覚えています」 いろは堂さんのおやきの味は違います。品質の高さはいわずもがなですが、先代から脈々と流れるおやき作りへの想いが凝縮されている気がします。「懐かしい味がする」と感じる方が実際多いそうですが、創業以来すべて手作りにこだわっていらっしゃる心のこもった味に感動せずにはいられません。 ふわっとした生地に、こんがり焼き目が食欲をそそります。具は野菜ミックス、かぼちゃ、野沢菜、ぶなしめじ、ねぎみそ、切干大根、粒あんが定番です。春は山菜のおやき、夏はトマト、秋は栗といった旬の野菜を使ったおやきも絶品です。 長野北信にお越しの際は、是非いろは堂さんの本店まで足を運んでみてください。多くの感動が待っています。

風情を感じる佇まい。2011年に鬼無里本店の建築が第24回長野市景観賞を受賞されています。
入口を入るとまず目に飛び込んでくるのがこの囲炉裏。冬の炭火を見ながら食べるおやきは格別です。
おやきを食べながら昔の生活の様子を感じることができます。昔の生活って実は贅沢だったのかもしれません。
囲炉裏を囲んで家族でおやきを作る場面の人形。お客様が寄贈されたそうです。
いろは堂さんのロゴやデザインは原山尚久氏が制作され、ブランド作りの面で大変お世話になったそうです。
湯呑や包装紙等の関係資材の各所に載せられたデザインが統一的なイメージを与えてくれます。
旬の野菜を使ったお漬物を頂けるのも魅力の一つ。おやきと一緒に頂くと、さらに美味しいですよ!

更新日:2017.12.27


行ってみよう!

しんしゅう きなさ ろばたのおやき いろはどう

信州・鬼無里 炉ばたのおやき いろは堂

  • 長野県長野市鬼無里1687-1
  • 長野駅から約40分(23km)、JR白馬駅から約45分(26km) *共に国道406号経由
  • 路面バス(アルピコ鬼無里線 74系統)鬼無里バス停から徒歩7分

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関連情報

    • いろは堂の歴史
    • 【略年表】 大正14年(1925年) 長野県小川村で創業 昭和29年(1954年) 鬼無里村に移転 学校給食のパンも製造する 昭和40年(1965年) おやきの製造販売を開始 平成3年(1991年) 現在の店舗と工場をオープン 平成12年(2000年) 新館(喫茶・ギャラリー)を増床 平成17年(2005年) 農林水産大臣賞受賞 平成23年(2011年) 鬼無里本店の建築が第24回長野市景観賞を受賞 (*いろは堂案内より)

水谷翔長野市地域おこし協力隊

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